第7話、サイドオブアサヒ2
~1~
あの後、私達はランニングを
謹慎期間中の訓練不足を補う為の特別メニューだと、教官は説明していた。それはまあ納得出来るんだけど。だけど……
特別強化訓練メニューって……
私は、さりげなく
今日の
少しでも動きが
そうして、ようやく訓練が
たった一日の
もし、そんな気配を出そうものなら、ユキに変な
ユキに誤解をさせてはいけない。のだけど……
「ねえ、アサヒちゃん!
「……訓練の直後だって言うのに、
私は話題を
ユキもそれを
その笑みが何だか嫌だったので、私は思わずのけぞってしまう。
「それは嫌だね!でも、アサヒちゃんがそんな話をしてわざと話題を
「……………………」
「あ、その反応は
「……ごめん、少しだけテンションを
そんな私の
本当、どうしてこんなにもこの子はこんな話題に興味津々なのか?
そう思うけど、ユキはそれでも私を
「で?で?アサヒちゃんが
きゃーっ‼と黄色い
流石に、話が
私と、イブキが……
イブキ……
思い出す。あの
あの時の、事を……
イブキとのキス。
絡み合う舌。唾が
「~~~~~っっ‼」
いや、本当に私ってば何て
うわ~‼ああ~‼思い出したくない。これ以上考えたら、余計に
そんな私を、にまにまととても
いや、本当にこれ以上は
ぐああっ‼このまま地面に
そんな私の肩を、ユキはぽんっと
「アサヒちゃん、イブキ君とアサヒちゃんの間に一体何があったのかは私にもよく分からないけど、それでも私はアサヒちゃんの
「……ごめん、それ以上は本当に
「だが
「…………貴女、本当はそれが
「もちろんっ‼」
堂々と
本当、どうしてこうなったのか?
分かりたくもなかった。
私は現実逃避気味に、昨夜イブキと話した
~2~
時は遡って、昨日の夜。屋上から
いや、今の一瞬で何を
まあ、それはともかくだ。私はそろそろ
「ああ、えっと?アサヒさん、でしたよね?」
「えっと、はい。何か
「いえ、用事という程重要な話でもないのですが……」
何処か、
思わず、私は
何処か、
「えっと、私もそろそろ
そう、敢えて
「
「……………………」
「はい、もちろん
「っ、ごほっごほっ‼えっと、あの?」
「ああ、すいません。えっと、其処まで
「……?それは、一体どういう
「…………はい、この際だから
「っ⁉」
正直、私はこの時驚いていたのだろう。いや、驚いていたという表現そのものが生温いと言えるかもしれない。私は
叢雲フブキが、イブキに機械仕掛けの神威を
けど、フブキさんの反応を見たら
とりあえず、そのまま話を聞く事にした。
「ええ、その反応は理解出来ます。正直、今でもイブキ君には
「……いえ、そんな事はどうでも良いです。ただ、フブキさんには二つほど
「……はい、何でしょうか?」
少しばかり、
私からの質問は
「まず一つ、イブキの機械仕掛けの神威。あれには私達に
「……はい、その
「機械仕掛けの神威としての、本質?」
「はい、まず
「それが、機械仕掛けの神威の本質だと。そういう事ですか?」
「そうです、イブキ君に移植された機械仕掛けの神威がより
「そうですか、では二つ目の質問です。イブキは、機械仕掛けの神威を移植するのに納得していたんですか?本人の
「……はい、こればかりはイブキ君自身が
「そう、ですか。イブキは何て?」
「…………イブキ君は、何も
「そう、ですか……」
私は思わず、唇を強く
実に、イブキらしいと思う。けど、同時に当時のイブキの
どうして、こんなにも彼が
これでは、イブキに
そんなのは、絶対に嫌だった。だから、私は……
「そうですか。では、私から言う事はもう一つぐらいしかありません」
「それは、何でしょうか?」
私は、一呼吸だけ間を置いて。叢雲フブキを真っ直ぐ
その
「イブキとは、一度ゆっくりと
「……………………」
その言葉に、フブキさんはしばらく
だから、黙ってフブキさんの反応を
「そう、ですね。分かりました。イブキ君とは、二人で話す事にします」
「はい、
そう言って、今度こそ私は部屋に戻って
~3~
あの後、フブキさんは果たしてイブキと直接話せたのだろうか?まあ、恐らくは話したのだろうけど。それでも気にしてしまうのは
まあ、今はそんな事を
真っ直ぐ、ユキを
「それより、一つだけ聞きたい事があるんだけど。良いかしら?」
「うん、何?」
「さっき、さりげなく私達って言っていなかった?」
「言っていたっけ?」
「言ってたわよ。私とイブキの
「…………ぷひゅ~、ひゅ~~っ」
……こいつ、ごまかし方が
そっと、ユキの
「……ねえ、ユキ。少しだけ
「な、ななな、何かな?アサヒちゃん。か、顔が
「素直に
「…………はい、私とギンガ君です」
少しだけ、ほんの少しユキを
やはり、獅子堂ギンガか。最近、やけにユキとギンガの
流石に思いもしなかった。くそっ、獅子堂ギンガめ‼
ギンガがとても
「けど、貴女達って其処まで
「……う~ん、まあアサヒちゃんだから
「…………はい?」
「いや、だから。私とギンガ君は付き合っているの。まあ、話してみれば以外と馬が合うから今はお試しで付き合っている的な?」
「流石に
思わず、私は呆然と
いや、ユキの行動力以前に
思わず
「いや、それこそ
「……いや、だって。今まで
「むぅ、それはそうだけどさ。でもでも、アサヒちゃんって元々そんな
「…………む、」
それもそうか、と思わず私は
そもそも、言われてみれば確かにユキだって一人の女の子なんだ。
そう思って、納得しかけた。のだけど……
「まあ、私自身恋愛経験なんて
「……おい、」
思わず、私はドスの
こればかりは、私は
・・・ ・・・ ・・・
次の日、何時も通りに訓練を
「……あの、イブキ。えっと、」
「……?どうした、何か
「うん、その…………これ」
私はイブキにお茶の入った
何事もタイミングが
…………何で、私はこんな事をしているのだろうか?
思えば、ユキ達は私とイブキが付き合うのを
けど、だったらどうして私はこうしてそれに
思わず
しばらく
「……うん、ありがとう」
少し、いや、かなり照れ臭い。どうしよう。続きの言葉が思い浮かばない。
さて、
「えっと、アサヒ。少し
「え?うん、えっと、何かな?」
「いや、そんなに大した
付き合う?私と?
近場の自然公園まで?今度の
デート?え、デートって言った?
…………え?
「え、ええっ⁉」
「いや、ほら。別に嫌なら
「い、いや。別に嫌じゃないんだけど!だけどおっ‼」
思わず、私は
…………ふぅっ。とりあえず落ち着いた。
「えっと、一体何の
……
そんな私に、イブキはそっと視線を逸らして頬を僅かに染めながら、憮然とした表情をしつつ答えた。
「……いや、えっと。ギンガの
「あ、ああ……あああああ…………」
あの二人の
いや、まあ分かってはいたけど。流石に頭が
くそっ、あの二人は……
そう歯を食い縛って
とりあえず、あまあみろ。全く……
~4~
そして、ついに
私は白いワンピースに白いハイヒールのパンプス姿で
分からないけど、きっと全部ユキ達のせいだ。
そんな事を思っていると、私に近付いてくる二人組の
「へえ?随分と
「俺らと一緒に
そんな、半ばテンプレとも言える
そんな私に、チャラ男二人は尚も話し掛けてくる。少し、
「ああ、アサヒ。お
そう言って、イブキがようやく来た。どうやら、私の
イブキの事だ、私が
しかし、
「おいおい、兄ちゃん。俺らが先に
「ん?いやいや、別に言うほど
「へえ?俺らがお前よりも
「別に?ただ、僕達も職業柄そこそこ
そう言って、イブキは懐から
その手帳に、チャラ男達が僅かに
そんなチャラ男達に、イブキが止めと言わんばかりに少し
「言っておくけど、僕達はこれでも公務員に近い。そんな相手にこうして突っかかって喧嘩を売ったとなれば、君達自身の
「ぐっ、お、
そんな風に、これまたテンプレな捨て台詞を
そう、思わず
「いや、
どうやら、ブラフだったらしい……
「本当、
「いや、大丈夫って
「……………………」
心配をしていた。その
そんな私の気持ちを、知ってか知らずかイブキは頬を指先で
「えっと、アサヒはもしかしてこういうのは
「え?こ、こういうのって?」
「いや、一緒にお
「そんな事は
「……そっか、」
私の半ば
どうして、こうも私はイブキを
いや、それでも……うああっ。
そんな私に、イブキは苦笑しながら手を
えっと?
「じゃあ、一緒に行こう。大丈夫だ、きっと遊んでいる内に
「……うん、」
そう言って、私はイブキの手を
科学で幻想を超越せよ!~空想科学ファンタジア~ kuro @kuro091196
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