孝行息子

千葉まりお

孝行息子

※強い暴力表現・性描写があります。


 自分がこの世に出荷される瞬間を、いわゆるご出産ビデオかなんかで見たことがある奴はそれなりにいるだろうけど、どうやって仕込まれたのかを見るはめになったって奴はそんなに多くはないんじゃねぇかな。

 俺を入れても世界に五万人、いるかいないかくらいだろ。これって多いか少ないか微妙なラインかな? わかんねぇけど。適当に言っただけだから。


 あんたは俺の母さんの名前も知りゃしない。

 そりゃまぁ、そうだろう。あんたにとってはどうでもいいもんな。そんなの。

 俺が会いにいくまで母さんのこともすっかり忘れてたんじゃねぇの? 

 すごいよなぁ。あんたが人の親なんだもんなぁ。あんたみたいなのがさぁ。人生のセカンドチャンスってヤバいよなぁ。生きてさえいればワンチャンあるってやつだよなぁ。

 娘ちゃんと息子ちゃん、奥様ちゃんは今頃お家で寝てるよ。全てが終わるまで目は覚さない。

 俺の叔母さん。父さんの妹はそういうのが得意なんだ。今頃あんたの家族の頭を撫でてると思うぜ。まぁ、安心しなよ。叔母さんは父さんや俺と違って優しいから、寝ている間に何かしたりはしないぜ。多分ね。


 まぁ、いいや。それよりこれ見てくれよ。俺のiPad。見れるだろ? あぁ、体がだるいのは車の中でチクッとやったやつのせいだよ。大丈夫、死にはしないから。意識ははっきりしてるだろ?

 ほら、これ。このページ。行方不明の子供たちの情報サイトの、ここ。ここに載ってる写真さ。いい写真だろ? 1984年のクリスマスの写真。


 こんとき母さんは11歳。息子の俺がいうとマザコンっぽいけどさ、可愛いよな、実際。

 リトル・フラミンゴ・コンテストでいい線まで行ったんだ。勿論、知ってるよな。だってあんたらはコンテストで母さんを見つけたんだから。いや、いや。母さんをっていうか、リタ・ワッツをだな。優勝した子。


 最初はその子の所に行ったんだけど運悪く……か、運良くかは見方によって変わるだろうけど、ワッツ家はグアムに向かう飛行機の中だった。

 それで、仕方なくあんたらはリタのバーターで、母さんを選んだのさ。

 仕方がねぇ、こいつでいいやって。

 あんたがもしもグリンレーズバーグで暮らしてたら、きっと毎日この顔を目にしていただろうと思うね。あの町の街路樹っていう街路樹にこの写真を使った「この子を探しています」のポスターが貼ってあるんだからさ。

 30年以上経った今でもだぜ。信じらんねぇだろうけど、マジなんだぜ。Googleストリートビューでみてみろよ。そこら中爺さんと婆さんが貼ったポスターだらけだから。全く。痛ましいったらないぜ。

 三日前の夜に二人とも老衰で死んじまったけど、そりゃぁ安らかな死だったそうだぜ。滅多にない「眠るように」ってやつ。父さん、相当奮発したんだろうな。あれで結構、愛妻家なんだ。幾らかかったか教えちゃくれなかったけど、「眠るように」って高いんだ。叔母さんは身内割引してくれないタイプだしな。あんたは知らないだろうけどさ。


 母さんはアリス・コーミアって名前で、普通の家で暮らす普通の女の子だった。このサイトの婆さんと爺さんのコメントによればね。

 1985年の8月14日。午後六時にチャイムがなって、外から「郵便でーす」って声が聞こえてきた時、洗い物で手が塞がっていた婆さんは「アーリースー」って言ったんだと。これって「アリス、お母さんは今忙しいんだから代わりに荷物を受け取って頂戴。漫画は後で読みなさい」っていうのの短縮な。

 それで、母さんは嫌々漫画を読むのを止めて玄関を開けた。

 ものを知らない奴なら「そこには死神が立っていた」とか、そんな風に言うんだろうけど、そりゃ最悪の例えだな。本当。マジでさ。

 あんたは知らないだろうけど死神ってやつははヒューゴボスかアルマーニしか着ないんだ。宅配業者風の汚れたジャケットなんて絶対着ないし、キャップもかぶらないし、スニーカーを履くくらいなら裸足で歩くだろうさ。気取り屋なんだよ。

 ドアの向こうに立っていたあんたのお友達、ゲイリー・リチャーズは銃を持っていて、それを母さんの顔に向けていた。で、言ったんだよな?

 「黙れ。喚くな。車に乗れ。騒いだら殺す。お前も、お前の家族も皆殺しだ」


 で、母さんはそうした。そりゃ、そうするよ。騒いだ瞬間にいきなりバンバンってくるかもしれないし。死にたくないもんな。

 けどそれが母さんのポカだったんだよ。

 彼女はどうしたって、そこで叫ぶべきだった。絶対にそうすべきだった。まぁ、いきなりのことだから声が出せたかどうかわからないけど、そうするべきだったんだよ。例え頭をパンされてもさ。絶対にそうするべきだった。

 母さんが車に乗るとそこにはあんたがいて、それで、車がグリンレーズバーグからレージスイッチに着くまでの3時間、車の中に母さんにとっての地獄が生まれた。


 なんだよ、今更。そんな顔して。ビデオを見たんだ。あんたらが撮影してたやつだよ。撮っただろ。「俺じゃない」って? ばーか。何のために裸に剥いたと思ってんだよ。背中のタトゥーが一緒じゃねぇか。ばーか。

 車は一度、バズノー川の前で停まって、あんたはゲイリーと運転を交代。それも撮ってたよな。

 レージスイッチに着いたら、あんたらは母さんをリチャーズ家の地下に閉じ込めた。

 つまり、今、あんたと俺がいるここにだよ。ここに。

 そいつの家は町からかなり離れた場所にあったし、ゲイリーにはあんた以外にお友達がいなかったからな。誰も尋ねて来やしない。悪いことするには最高の場所だよな。

 で、あんたらはしたいようにした。車の中でしたみたいに。

 今、あんたが座っているその腐った象みたいなくせぇソファーが、それからずっと、母さんの居場所になった。

 あんたらは……なんていうか、バカで痛い連中だったな。黒魔術の呪文とか唱えたり、生け贄だの、闇の紋章だの、処女との交わりが悪魔ブブを召還するだのなんだの。来る訳ないだろ、ベルゼブブが。名前まで間違えやがって。あんたらは最初からずっと敬意が足りない。


 カメラに向かってノリノリで喋ってたけど、俺に言わせりゃあんたらはコスプレしたロリコンのペドフィリアのクソだ。あんたらがこの世に生み出せるものなんてクソしかない。クソの製造機だ。

 あんたらは誰一人として悪魔なんか信じちゃいなかったし、黒魔術のことなんて少しも調べちゃいなかった。どうでもよかったんだ。魔法陣だって滅茶苦茶だしな。見てみろよ、あの壁に書かれた魔法陣やら呪文やら。恥ずかしいったらないぜ。

 あんたらは理由が欲しかったんだ。11歳の女の子を無茶苦茶にするのに、理由が欲しかったんだよ。その子の歯を抜いたり、クソを食べさせたり、飼ってる犬に犯させたり、そういうことをしてみたかったんだ。だからしたんだ。そうだろう。

 一体、あんたらは自分達をなんだと思ってたんだ? 悪魔の弟子か何かか? 黒魔術師の見習い? 悪魔がお前らみたいなのを弟子にするわけないだろ。

 あんたは母さんに言葉を教えるのが好きだったな。あんたが大学でやってるフランス語の授業みたいに。「皆さん、先生に続いて言ってみましょう。Bonjour!」って。あぁ、俺、何回かあんたの授業に出たんだぜ。あんた、中々いい授業をするね。


 それで、あんたは母さんのケツに突っ込みながら色々言わせたっけな。彼女が絶対に思っていないことを言わせたっけな。上手に言えるようになるまで何回も何回も何回も。

 あんたは誘拐されて酷い目にあわされてる女の子が、自分を酷い目にあわせているクソ野郎相手に「家に帰りたくない。ずっとここにいさせてください」って言わなきゃいけないって、どんな気分だか想像できなかったのかな? 想像できてたからこそ、そう言わせたのかい? そういうので興奮するのか?

 いや、いや? 本当は女の子のことなんかどうでもよかったのかもしれないな。あんたが本当に特別な関係になりたかった相手はゲイリー。でもあんたもゲイリーもゲイじゃないし、肉欲とか恋愛感情とかそういうのでもなかった。だから母さんを使って、特別な絆を築きたかったのかも? 


 あぁ、ちょっと臭うかい? 悪いね。あの隅っこにちょっと色々おいてあるもんで。まぁ、でも、あの臭いには慣れておいた方がいいと思うぜ。これからあんたにとっては馴染みの臭いになるんだろうし。

 さて、どこまで話したっけ? そう。あんたらが酷かったって話だ。すげぇ、酷かったって話。

 本当に、あんたらは好き勝手やってくれたよ。俺の母さんにさ。

 あんたらは母さんを便所代わりにして、サンドバッグ代わりにして、ペットの欲求不満のはけ口にして、灰皿代わりにした。それを全部撮影した。

 「お父さんとお母さんに見せてやるよ」って言ってたよな。

 「お前が犬の子供をたくさん産んだら、記念撮影をしてクリスマスカードにしよう。それをお前の家に贈ろう。人間と犬のハーフの赤ちゃんをお前に抱かせてやる。犬の子を産め。そしたら家に返してやるから」って。


 泣くな、泣くな。まじで。何泣きなの? 何を泣くのよ? 

 ちょっと待ってな。ちょっと準備するから。

 ほら、見える? 床にある黒い染み。染みっていうか、床のあそこら辺だけ腐食が激しいでしょ? 何かわかる?

 そう。あそこで母さんは死んだの。

 いやいや、わかるよ。そんなわけないって言うの。お前とゲイリーは母さんの死体をこの地下室のバスタブで溶かしたんだもんな。

 母さんの死因はショック死−−だと、あんたらは思ってた。いつ死んだのかわからない。いつもみたいに母さんとお楽しみしてたら、気がついたら息してなかった。あんたは「クソッ!」って言ったよな。「死体とヤっちまった。病気になるかも」って。バカなのか?


 で、あんたらは母さんを処理することにした。

 細かくバラバラにして、どっかに埋めようか? それとも燃やそうか? 

 ゲイリーは最初からどうするか決めてた。今日の日のためにホームセンターで肉を溶かすあれこれを準備しておいたのさ。園芸に使う粒々したやつと、車の洗浄に使う液体を混ぜて完成する魔法の薬。それをバスタブにたっぷり注いで、母さんを漬け込んだ。

 すごい悪臭がしたよな。あんたらはたまらずバスルームの扉を閉めて、地下室を後にした。二、三時間漬けとけば母さんは泡になって消えるってゲイリーは言ったよな。人魚姫みたいでロマンチックだってあんたは思った。だろう?


 ところでこの臭い。この部屋の臭い。その時の臭いに似てるだろ? というか、おんなじなんだ。

 ほら、あそこに、あの部屋の隅っこに、ごろっとした大きいのがあるだろ? 見えるかな? ちょっと体を起こしてやろう。

 よいしょ。ほら。あ、わかった? 見えた? よかった、よかった。

 あれがゲイリー・リチャーズだよ。チーズピザの塊でも、サラミをたらふく食った犬のゲロでもない。あんたより早く、俺がここに連れてきたんだ。いつだっけ? たぶん半年くらい前かな? おーい。ゲイリー。まだ耳は聞こえるかな? お友達のホワイトマンがここにいるよ。ジャック・ホワイトマン。


 あ、ほら。動いてるね。あんな、どこが顔でどこが体かわかんない感じに溶けてるのに、動いてるね。あんたをここに連れてくる前まで、風呂に浸けておいたんだよ。何日漬けたと思う? 大体、5日くらいかな。手足は無くなったし、目や耳や鼻も無くなったけど、まだほら、原型は残ってるだろ?

 二、三時間じゃ泡になんかならないんだよ。どんなに小さな女の子でもね。

 母さんはね、お風呂の中で生き返ったんだよ。体が溶けていく中で、生き返ってしまったんだ。

 母さんは強い女の子だった。世界で一番強い女の子だった。皮膚がなくなった指でバスタブの縁をつかみ、風呂から這い出した。ブヨブヨの、今にも解けてしまいそうな体で床を這った。

 母さんはあんたらが床に描いた厨二病丸出しのインチキ黒魔術の魔法陣の上を這った。あんたらが母さんの血で描いた魔法陣の上を這った。そしてそこ、あの染みの場所でとうとう動けなくなった。

 母さんはもう、あんたらが与えた苦しみと恐怖と屈辱と絶望のせいでほとんど壊れてしまっていた。でも、生きようとした。生きるためならば、なんだって捧げる。どうなってもいいと母さんは思った。もうこれ以上、どうなる余地があるとも言えない体で。

 つまり、母さんは正しい手順を踏んだってことさ。あんたらとは違ってね。

 彼女は血を捧げ、涙を捧げ、悲鳴を捧げ、苦痛を捧げ、命を捧げ、自らを捧げた。あんたらのおかげでもあるが、母さんは悪魔がいると信じていた。信じていたというか、わかっていた。あんたらのおかげで。

 それに神は来ないと知っていた。絶対に来ない。あれはもう死んじゃってるからね。

 だから母さんは神様みたいに強くて、それでいてちゃんと来てくれる者に祈った。

 祈り、捧げ、呼んだ。

 こうして、母さんは父さんと出会った。


 叔母さんが言うには、父さんはあんたらに相当イラついていたらしい。あんたらは父さんの名を叫び、父さんの名の下に出鱈目な儀式を繰り返し、それでいて父さんのことを信じちゃいなかった。父さんはアンチよりも、ファンを騙る迷惑野郎の方が自分の格を下げると知ってたのさ。

 「あんたのファンってロリコンの変態ばっかなんだってね、ぷぷっ」なんて言われたら、プライドが傷つくだろう? でも呼ばれちゃいなからな。呼ばれない限りは父さんだってどうにもできない。ただイライラするだけさ。

 そこで母さんが父さんを呼んだ。本当に正しい手順で、父さんをお招きした。こちら側にね。

 父さんはその場で母さんにプロポーズした。ロリコンってわけじゃないぜ? 契約的なものさ。父さんの妻になった者はこの世のあらゆる苦痛から解き放たれる。そして未来永劫、幸せに何不自由なく暮らせるんだ。つまり、父さんなりの祈りに対する労りってことさ。あれで結構、父さんはお人よしなところがあってね。こうやって妻にした老若男女で父さんの後宮はいつも満タンなんだ。


 母さんは父さんに連れられて、父さんのとこで今は幸せに暮らしてるよ。今頃、爺さんと婆さんとも会えてるかもしれない。なぁに。死んだら人間はみんな父さんの管轄に行くんだよ。今日こんにち、上に行けるのは生まれたばかりの赤ん坊か、子犬くらいだよ。

 そう。それで、母さんはあんたらのことは少しも覚えちゃいないんだ。母さんがあらゆる苦痛から解き放たれるためには、あんたらのことを忘れる他ないからね。

 父さんもあんたらに何かしてやる気はないらしい。あんたらは凡庸で、よくいるタイプのクソ野郎だから、わざわざ自ら出向くほどでもないってさ。

 ただ、あんたらが父さんをイラつかせたのは事実だし、何もしないっていうのもメンツに関わる。


 そこで、俺がきたわけだよ。父さんは母さんの抱えている嫌な記憶と、母さんの中に残った犬の精子と、自分の血をちょっとだけ混ぜて、俺を作ったってわけ。なんでって?

 父さんや母さんは呼ばれなきゃこっちに来れないけど、俺みたいな混ざったのなら、どっちにも行けるからさ。人間と犬と地獄のミックスだよ、俺は。ほら、犬歯があるだろ? 見せる気はないけどオシャレな尻尾もあるんだぜ。後は極々普通の青年さ。あんたらとさして変わらないわけよ。

 俺があんたの授業に出てた時も、あんたの家に郵便を届けに行った時も、あんたの車にガソリンを入れた時も、あんたの家のゴミを回収した時も、あんたら家族の買い物をレジでピピッとやった時もあんたなんとも思わなかったろ? こっちでの名前もあるんだぜ? 教えないけどさ。

 とにかく、まぁ、父さんはその場のノリで俺みたいなのを作る癖があるんだよな。兄弟多いんだぜ? 俺。まぁ、妻の復讐の代行者ってとこだな。愛妻家なんだよ、父さんは。子供への愛情には欠くけどね。


 それでな、母さんは俺のことを知らないし、俺を見ても息子だなんて思わないわけよ。外見だけなら俺のほうが年上で、お兄さんって感じだしな。向こうで会っても挨拶するだけさ。時々、一緒におままごとしたりするけどね。いい子なんだよ、母さん。あんたらにはわかんないだろうけど。俺は母さんのことが好きだよ。幸せになってほしいんだ。


 それで、実は今日が母さんの誕生日なんだよ。母さんにはピニャータとおもちゃのシャボン玉マシーンを持ってくつもりなんだけど、まぁ、特別なものを添えようかなって。それがね、あんたらなんだ。

 これからあんたらをあのお風呂に漬けるんだ。顔だけ出しておくね。そのうち、今の薬が切れて、悲鳴を上げられるようになると思う。あんたらがゆっくり溶けていく姿を動画撮影して、母さんのお誕生日会で流すムービーにするんだ。誕生日が終わった後は、この動画は父さんのとこの人間ならいつでも誰でも見られるようにしておくよ。ここの住所もテロップで入れとく。あそこは結構暇だからね。あんたらはいい娯楽になると思うよ。やんちゃな連中があんたらをいじりにくるかもしれないけど、相手してやってくれよな。

 ああ。ゲイリーを見ればわかると思うんだけどさ。あんたらはこれから死んだりはしないから。絶対に。

 だって父さん、あんたらみたいな連中が本当に嫌いなんだよね。来てほしくないんだよ。父さんの管轄に。だからあんたらのところにヒューゴボスもアルマーニも来ない。父さんが未来永劫、あんたらのことは絶対に迎えに行くなって命じたんだぜ。父さんの妻たちを傷つけた者は必ずそうなる。あんたたちは放棄された。上からも、下からも。だからずっとここにいるしかないんだ。

 あんたらはこれから、じっくり時間をかけてあの中で溶ける。溶けて、ドロドロになってもまだ生きてる。そのうち水分が乾いて、あんたらは粉末になる。でも生きてる。ずっと生きてる。その間、ずっと痛いぜ。叔母さんもあんたらのところには来ない。あんたらは夢も見られない。そういうことだよ。終わりがないって、怖いよな?


 ほら、じゃぁ。そろそろ行こうか。

 母さんはあんたらを覚えていないけど、あんたらが苦しむのを見たら母さんの魂は喜びでいっぱいになるんだよ。

 だって母さんは、もうそういう場所の奥方様だからね。 

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孝行息子 千葉まりお @mario103

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