第22話後日談

その後我々は、撮影と取材を終えた我々はドキュメンタリーの作製にとりかかっていた。そのさなか、道草が椿に衝撃のニュースを伝えた。

「椿さん、これ見てください!!」

それはスマホの画面に載っているネットニュース、そこには『今朝の早朝5時に山道で人の死体が発見された』というニュースが報じられていた。そして我々は判明した遺体の身元をみて驚愕した。

「これ、内藤じゃないか!!」

「そうでしょう、しかも死亡推定時刻が取材した日にちからまだそう経っていないようですし……」

一体、内藤の身に何があったのか?もしや以前、椿が例の部分を撮影したことで、粛清を受けることになってしまったのか…?

「あいつ、かわいそうっすよね……。怪しい宗教と関わったとはいえ、あんなに充実した毎日を過ごしていたのに…」

「そうか?むしろ内藤は、死ぬ前『助けてっ!』と思ったんじゃないかな……?」

それは信頼していた人が、ある日突然オオカミかクマに化けて自分に襲いかかってきたのと同じ気持ちだろう。椿は内藤の死を悲痛に感じ、心の中で弔った。

それから時は過ぎて、我々はついにドキュメンタリーを完成させた。そして完成したビデオをミーアの所に郵送した。

「それにしても、一番怖かった取材でしたね…。」

「そうだな、あの時は私のせいで怖い思いをさせた…。申し訳ない」

「気にしてないっすよ!」

道草は明るく椿に言った…。本音を言うと、あの日消去した部分をドキュメンタリーに使いたかった…。

だけどもし自分が好奇心のあまり、儀式を受けることを選んでいたら……。椿は好奇心の恐さを改めて思い知ったのだった…。

そしてこれ以降、我々は『悪魔の儀式』に触れることは無いだろう……。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

現実超常ドキュメンタリー特派員·手紙と悪魔の儀式 読天文之 @AMAGATA

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ