なんとなくで済まされている『魔法』の設定が気になる人へ

異世界ファンタジーにおいて、作者と読者のあいだになんとなく暗黙の了解がある『魔法』についてツッコんだ思考実験的な作品。

たとえば、『魅了』の魔法と言ったって、
『発動者の姿を魅力的に見せて相手をメロメロにする魔法』かもしれないし、
『発動者以外の物体や概念を、魅力的だと思い込ませる魔法』かもしれないでしょ!?

この作品では、『調査』『鑑定』の結果がおおまかにしか出ず、
主人公のもつ『魅了』が具体的にどんな『魅了』なのか分からない、という謎を主軸として
『魔法』をめぐる様々な考察が繰り広げられます。

メインストーリーを進めなきゃならない長編の途中でこんな考察を始めたら寄り道もいいとこですが、
本作は一応ストーリーもありつつ、特定テーマの考察にこだわった内容ですので、
暗黙の了解だけでは納得しない読者さんの思索にじっくり付き合ってくれますよ。

また、異世界ジャンルで書き手デビューしたい読み専さんの参考にもなると思います。