第4話

「”魔法使いの集会場”だ!?」

「どうだ興味がわくだろう」

 ニヤリとはにかむ銀色の髪をした少年。オッドアイで非常に珍しい目をしていることから魔法使いや魔法を使えない人から狙われ放題だ。

「どうだバッチリだろ」

 目を大きくして見せびらかす。両目とも空色だ。

「バッチリだ。だが、目立つなよ。お前は少なからず目立つからな」

「巨体で一番目立つ奴がいうセリフかよ!」

 納得いかない様子で頬を膨らます少年に弐品は「それじゃ行こうか、犬童(きとう)」とお互いに拳をコツンと当てた。


 奇妙な仮面をかぶり姿を偽ってこの集会場に魔法使いたちが集まっている。皆自分の正体を隠すように動物やら昆虫やら鳥類に姿を変えている人もいる。人の姿のままで参加している人もいるがどれも桁外れなほど弐品はガックリしていた。

「雑魚ばっかりだ」

 隣で周囲を観察している犬童はこう言う。

「普段お互い顔を合わせる機会は少ない彼らはこの時ばかり自分の魔法を見せたくてわざわざ集まってくる。彼らは飢えているのだよ」

「つまりどういうことだよ」

「弐品(おまえ)に掛けた魔法使いはこの集会場に集まるような奴じゃない。だが、奴の正体を少なからず知っている人はこの中にいるはずだ。つまり、お仕事だよ。そいつを見つけるのが今回のメインディッシュだよ」

 弐品は仮面に手をかけ張り切る素振りを見せる。

「だがよ、そう簡単に見つかるかよ。俺に掛けた魔法は並大抵のやつじゃない。ましてや自己顕示(じこけんじ)欲を求めている連中の中にいるとは思えない」

 ニヤリとはにかむ犬童。

「そのニヤケぶりはすでに見当している顔だな」

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