第27話 真相1
その日の放課後。
「ありがとうございます!無事真相がわかったとのことで来ました!」
「部活は大丈夫なのか?」
「ええ、活動休止中なので」
「そうだったな」
明智は連絡をすると授業が終わってすぐ飛んできた。とりあえず上中も呼ぶとすぐ来てくれるらしい。
「なんか色々話を聞いてもらったみたいで、わざわざすいません」
「いやまあ、軽く聞いただけだから気にしないでくれ。それにしても変わった評判が立っていたな」
「なんて言われていました?」
「嫌いではないけど個が強すぎて皆といる時はヒヤヒヤするってさ。かっこいいとも言われていたけどな」
「なるほどですねえ。なんかクラスだと私は自我が強すぎる子みたいになっちゃって。そんなことないんですけどね〜」
こうやって喋っている限り、普通の子に見えるが……距離が近づくとわかるものがあるのだろうか。
「俺からすると普通に思えるけどなあ」
「まあ、私もクラスメイトと部活の友達以外からは普通だと思われていますよ。日常生活を普通に送ることは可能なんですけど、やっぱり長い時間を過ごすと色々気になってくるみたいですね」
「なるほど。まあそんなものか」
「ええ。ちょっとずつ社会に適応している気はするのですが……もう少し時間はかかりそうです」
ドアを開けて上中が入ってきた。急いで来たようで呼吸が荒い。なにがあった?
「どうしたんだ?」
「ああ、ちょっと。大したことないわ」
「そ、そうか。ならいいんだが。じゃあ話をするか」
3人しかいない教室で俺は明智に解説を始める。
「結論から言うと…… 犯人は先生だった。担任の中山先生だよ」
「先生!?なんでですか?」
「ごめん、ちょっと勘違いさせてしまったな。先生が嫌がらせをしたわけではなく、単純にトイレにおき忘れたと言うことみたいだ。本人もトイレに教科書を持ち込んだことは覚えていたよ」
「へ?」
「教室に落ちていた教科書を職員室で管理しようとして、途中でトイレに置き忘れた、と流れみたいだ。明日朝確認すればいいか〜と考えて置き忘れたんだってさ。あー、って言っていたよ」
「補足すると、当番で教室とトイレの見回りをしていたらしいわ。で、トイレに行きたくなっておき忘れたみたいね」
「でも、私は机の中にちゃんと入れていたと思うんですけど……」
冴えている僕の青春解決物語 だいのすけ @daicekk
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