第2話 変化


「う、うそだろ……そんなことがある……のか……」


またさっきよりより細かく自分の体をさわる

いちおう前置まえおきで断じて言ってはおくが

きらきらとした自信過剰のナルシストではないし

そうゆう趣味のものではない

手の大きさを右手でなぞりながら探ってみるが明らかに成人前の幼い子供になっている事実をより確信に近くなった


「あの……どうかされましたか?やはりどこかおけがを.......」


怪我をしていないか心配しながら私の顔のあちこちを撫でるように触っている

……なんだか客観的にお互い歳の差がやばいことに気づきメイドの手をほどき距離を取るように後ずさりしてしまう


「......と、とにかく『俺』の部屋に案内しろ。……うん?」


なにかに違和感がある

『俺』?こんな喋り方していたのか?

しかしながら自然に喋った口調には特別な違和感がない

というよりこれが自然体だったかのような妙な納得感があるのは否めない


「は、はい……こちら……です。」


そんなことはどうでも無くなるほど私は焦っていた

今どんな状況になっているかは分からないが私は死んだ

確実に死んだ

剣に刺された鈍く冷たい痛みが夢というわけではなかった

しかしこの平穏な時間と空間は地獄でもそして天国でもない

息を吸う感覚と足から感じるこの感触も完全に現実だった


「では.......失礼します......」


さっきの女の人がドアを閉めた

誰もいなくなった気配を確認して部屋のなかにあった椅子に座り込んだ

その前につけられていた三面鏡によって己の顔が判明する

少しこの顔の姿に衝撃を受けすぐさま鏡を叩き割りたかったがそんな余裕はないと少し冷静さを取り戻すとのことについてもだんだん思い出してきた

この少年の名前は、リク・ラングレーというらしい

少年は、貴族の中でも位の高い侯爵で私はそこの長男で将来の後継あとぎらしい

そんな少年が食事をしたあとすぐに屋敷を駆け回っていたらあの女の人とぶつかっていま存在している前世の記憶を思い出した

というよりそう仮定かていするしかない

手始めにあのメイドのことを少年の記憶で探ってもそんなピンとくるようなものがあまりない

しかしながら前世の貴族の男爵と違って

今は侯爵だからメイドの数が多くて名前がいちいち覚えていない事もあるというのか

すると突然後ろから棒のようなものを叩かれたような鈍い痛みが走る


「あ、頭が重い……」


それはまるで体に剣に突き刺され意識を失った……

そうだ……あの時……確実に……


「死んだ……んだった……」


そのまま前の机に倒れ込むように頭をつける




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あとがき(補足)

スルーしてもいいですが.......

貴族の階級 上から順に

王族

公爵

侯爵 ここに当たる

伯爵

子爵

男爵

準男爵

なお前世の貴族の階級は変わらない

(もしかしたら作者の都合で中身の内容が変わる可能性あり……)



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