第4話 家庭教師




書斎しょさいに忍び込んで(?)から早くも六日間が過ぎているころだった

転生前のリク・ラングレーの記憶を探っていたのだが

この世界の基本的な魔法知識やこっち目線の常識といったものはあったが前世とあまり変わらないのであまり参考にならなかった

やはり虫食いとなって書斎に入りっていろいろと情報を集めている......

特に気にしてはいないのだが


「リク様は最近さいきんどうしたのかしら?」


「さぁ?なんかいつも書斎行っているらしいぞ。」


「それこそおかしいじゃないの。そんなこと今までなかったじゃないの。」


そんなふうに家の使用人からは

転生前のリク・ラングレーはいつも家の中で遊び回っている記憶しかなったのだから仕方がない子供が最近さいきん急に毎日のように書斎に行っているので不思議ふしぎがられ少し避けられている

まぁ遊び回っている途中でメイドとぶつかったことで転生したこと自覚した節があるからな......


「......」


気を取り直して今自分の部屋にある書斎から借りた本を横に積み上げ

特にじゃべることもないので黙々もくもくと読んでいる

一応魔法知識やその詠唱方法などが似たり寄ったりだったので今いる世界が転生前と同じ世界という可能性が出てきたが

地形や世界の歴史の本もだいたい書斎の本をある程度は見たが結果だけでいうと本当に違う世界......いわゆる異世界だった


「......」


話は変わるが最近気になったことがある

いつも通り部屋に本を持ち込んで書斎に借りた本を返す時に

ばったりとあのレフティという執事にあったのだが......ちらちらとよく私のことを監視かんししているみたいな雰囲気が以前から感じ取っていたが

私がわざと執事の方へ行ってなにかコミニケーションを取ろうとしたが私が近づいたと気づいたのかそそくさとそのままどこかへ通りぎていった......一体なんだったんだろうか

そう考えていると誰かがドアの叩く《ノック》音がする

誰かは分からなかったが断るのも不自然なのに加えて特に嫌な感じはしなかったので中に入れる


「......入っていい。」


と答えると例の執事が入ってくる


「......どうしたんだ?」


「どうぞ当主様からの手紙です。」


執事がサッと素早く出した一つの小さい紙の入ったものを渡される

……この世界にも、もちろんこの体の両親が当然いる

今の両親は転生してから一度も会ったことがない

それもそのはず今は仕事の都合上この場所から遠く離れた王都におり両親との記憶は転生前のリク・ラングレーの記憶でしか知らないのである

ビリッと白い封筒ふうとうを開いて手紙の中身を見ると

最初の文には私生活のことを聞いてきたりとしていたが......

なぜこの執事が私の部屋に来たことがわかる一文がそこにはあった


***


......ところで最近書斎で本を読み始めているそうだなお前もそろそろ勉強を本格的ほんかくてきに始める年頃としごろになったようでなりよりだ......

そうゆうことで執事のレフティが家庭教師をやってもらうことになった

ということで遊ぶのも大事だがより一層いっそいしっかり勉強をして.......


***


「こ、これはどうゆうことだ......」


そう思い手紙から少し目をらすと目の前の執事が上から見下ろして自分を見つめている


始めましょうか……」


執事が勉強に使うであろう本やペンを持っている.......

何か執事の後ろから『ゴゴゴゴ…』と黒いオーラが出ている気が.......


「え?」


.......その時の私は目の前の状況がどうなっていたのかがわからずそんな声を出してしまったことは仕方がなかったとおもってもらいたい



***



**






「では始めていきましょうか。」


例の執事もとおい

レフティさんが自分の部屋の机で早速持ってきた本を積み上げている

まるで目にまばゆい光がはいっている様にギラギラさせながら.......


「……」


なんで家庭教師がレフティさんになったのかは不明だが

今の世界の知識を集めるのに本だけでは少し限界を感じていたのでちょうどいいタイミングだったけど......レフティさんの方を少しだけ見るが最初の印象とは違いなんだかやる気に満ち溢れたような目線でこっちをみる


「どうか致しましたか?」


レフティさんがこっちに声を掛けている


「い、いやなんでもない。続けろ。」


なんとなくそっけなく言葉を返す

そしてこれからこの執事のレフティさんから世界の基本知識や勉強を教わる.......

それが私のルーティンとなった




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