地上と月の異文化交流SFファンタジー!


時はヘイアンの世、三人の貴公子が交換視察団として月へと降り立った。主人公は身分を隠した時の帝、朱鷺。
信頼する仲間とともに降り立った月で、長年の悲願である月の都の女人――「天女らとの酒池肉林三昧の日々を送る」という最大の目的の為に動き始めるのだが····。

当初の目的はだいぶ不純なのですが、話が進むにつれ、月の都の事情が見えてくる。朱鷺はメイドとして働いていたルーアンがかつての第一王妃の娘であることを知り、話を聞いたうえで彼女の目的を叶える為の援者となるのだった―――。

すべての元凶である、宰相ハクレイの悪を暴くため、朱鷺たちの奮闘が始まるのですが、このハクレイのバックグラウンドを知るとまた見え方が違ってきたりして、この悪が必ずしも悪とは限らず、政治的な陰謀、理想、憎しみ、愛、と複雑な物語に変化していきます。

行間が空いていない=苦手=読みづらい。わかります。でも食わず嫌いでこの作品を読んでいない方は、とても損をしている!
読んでみればかなり読みやすく、和風でありSFであり、バトルに戦略、恋模様と色んな要素で溢れた作品。
なにより登場人物たちが楽しい。

しかしながら、地上は地上で政治的な問題が山積みだったり。
主人公に必ずしも完璧な勝利が齎されるわけでもない。ご都合主義がないのでもやもやして心にざっくり爪痕を残してくるし、そこがまた印象深い。
敵側の事情を知るとより話が深まるし、感動もあります。ぜひ最新話まで読み進めて欲しい作品!

歴史系好きな方、SF好きな方、オススメです♪