自分からいらないって言っておいて、いざいなくなると寂しいんだ。

アルトがよかったです。

語り口は明るくやさしく、読みやすく。
でも結構リアルな人間の複雑さ、男女のうまくいかないところ、みたいなのがあるなーって思いました。

男女の仲ってどっちもどっちみたいなのよく聞くのですが、この作品も妻側も夫側もリアルな人間臭さがあってどっちも「こんなこと相手にされたら嫌だよね」ポイントみたいなのがあって、「どっちが全面的に良いとか悪いとか無い」って描かれてるなって思ったんですね。
(エンタメ特化作品だと一方的にどちらかを完全悪にするパターンが多いのですが、個人的な好みとしてこういうお互い悪いところあるよねってする作品好きです)

妻は闇堕ちみたいになっちゃうのですが、ここで元夫という生き物と息子という生き物との差みたいなのが出てきて、息子のアルトがお母さんを助けて一緒に元の世界に戻ってくれる、という展開が「あ、いいな」ってなりました。

続けようと思ったら続けられそうな終わり方で、キャラたちの「生きてる」感じがあってよかったです。