イベント番外編

番外編その① ギャルはバレンタインに手作りチョコを渡したい

【2月9日(金曜日)】


ミサキ

「もうすぐバレンタインです! オッサンと付き合って初めてのバレンタインです! そこで、あーしから提案があります!」


アヤネ

「提案?」


ミサキ

「オッサンへの日頃の感謝を込めて、彼女として……いえ、として手作りチョコを贈りたいと思います!」


リサ

「ホホホホホっ。それは良い考えですわね、ミサキさん」


ミサキ

「そうでしょ? リサさん? ホホホホホホっ」


アヤネ

「…………で? 誰か作り方知ってるの?」


ミサキ&リサ

「……」「……」


アヤネ

「え? なんで2人とも私を見るの?」


ミサキ

「だってアヤネ、チョコ作れるでしょ?」


アヤネ

「いや、料理なんて家庭科の授業でしかしたことないから」


リサ

「アヤネさん、料理できないんですか!?」

ミサキ

「そんなにオッパイ大きいのに!? 見かけ倒しじゃん!?」


アヤネ

「いや、胸の大きさは関係ないって……」


リサ

「じゃあ、誰か助っ人を呼ぶしかないね? アヤネさんのお友達はどうですか?」


アヤネ

「んー……無理かな。誰も料理できないと思う」


ミサキ

「だよね! ギャルって基本、料理できないもんね!」


リサ

「偏見っ――!? ギャルに対する偏見が過ぎるよ、ミサキ!?……って言っても、私とミサキの友達にもいないね、チョコ作れそうな子」


ミサキ

「でしょー? じゃあもうオッサンに頼むしかないかー」


リサ

「えっ、お兄さんに頼むの!? チョコ贈る相手に、チョコ作りを手伝ってもらうの!? 斬新だね!!」


ミサキ

「でしょ? あーし達ギャルはさ……新しいことにチャレンジしてナンボでしょ!」


アヤネ

「いや、さすがにダメでしょ……」


ミサキ&リサ

「……」「……」


アヤネ

「そんな顔してもダメなものはダメ。彼氏にチョコ作らせるなんてあり得ないって」


ミサキ

「アヤネ、オッパイ大きいのにダメばっかり言うじゃーん」


アヤネ

「だから、胸の大きさは――」


ミサキ

「しゃーないなー……ここはもうにお願いするしかないかー」


アヤネ&リサ

「あの人?」


ミサキ

「そ! とっておきの助っ人だぞ!」



【2月10日(土曜日)】


セクハラ大魔王

「どうも! ご紹介に預かりました、ダニーズ駅前店、店長のやま……ってちょっと二人とも!? 久しぶりの出番なのに、速攻で退場させようとしないでくれる!?」


アヤネ&リサ

「何しに来たんですか?」


セクハラ大魔王

「何しにって、3人が困ってるって聞いたから助けに来たんだよ!?……ってか『セクハラ大魔王』じゃ、誰か分からないだろ!?」


アヤネ&リサ

「分かりますよ」


セクハラ大魔王

「――ひどいっ!?」


ミサキ

「ということで! オッサンの親友の店長さんが、あーし達に協力してくれるそうです!」


リサ

「店長さん、お菓子作りできるんですか?」

 

山本

「いや、まったく。オレは食べる専門だ」


アヤネ

「さっさと帰ってください」


山本

「辛辣っ!? せっかく来たのにヒドくない!? たまにはオレとも遊んでよー、アヤネちゅわ〜ん、リサちゅわ〜ん」


アヤネ&リサ

「……」「……」


山本

「……って痛い!? 冗談だってば!? マジ蹴りはやめて!? アイツの『好きなチョコ』の作り方を教えてあげるからさ!?」


アヤネ

「オジさんの好きなチョコ?」

リサ

「それを先に言ってくださいよー」


山本

「ハァハァ……まったく……オレのことを何だと思ってるんだ」


アヤネ

「歩くセクハラ……」

リサ

「女の敵……」


山本

「――ひどいっ!?」


アヤネ

「で? 材料は何を用意すればいいの?」


山本

「材料? んなもん、チョコソースとカットフルーツがあれば十分だって」


ミサキ

「それだけでいいの!? 超簡単そうじゃん!」


山本

「ああ! 超簡単だ! なんせ、チョコソースをオッパイにべったり塗って、フルーツをトッピングすれば完成だからな! ピチピチJKのフルーツ盛り盛りチョコがけオッパイ――略して『チョコぱい』だ!!」


アヤネ&リサ

「……」「……」


ミサキ

「チョコぱい! オッサン、超喜びそうじゃん! ドスケベだから!」


山本

「だろ? きっとしゃぶりつくぞ! ドスケベだから!」


ミサキ

「けどそれだと、アヤネのチョコが過ぎて、ぺったんこのリサが可哀想じゃーん!」


山本

「ははははっ! 何言ってるんだよ、ミサキちゃん? キミも人のことは言えないだろ? ははははっ!」


ミサキ

「……」


山本

「ははははっ……って、あれ? 3人ともどうしたんだよ、そんな怖い顔して?……って、なんかオレの関節がミシミシ鳴ってる気がするんだけど……? えっ、ちょっとみんな……? お、折れる……それ以上したら折れちゃうってええええ――ッ!?」



【2月15日(水曜日)】


山本

「……ってなことがあったんだよー」


「……」


山本

「ったく、勘弁してくれよなー。バレンタインフェアの真っ最中だってのに、店長不在の3連休になるところだったんだぞ?」


「いや、自業自得だろ……?」


山本

「何を言う! 全部、親友であるお前のためだろ!」


「余計なお世話だって……」


山本

「ったく、相変わらず素直じゃねーな……。まっいいや、そのことは。で? うまかっただろ? オレのが手伝ったチョコ?」


「もちろん。けど、悪かったな。日曜なのに3人がお邪魔して」


山本

「それは気にすんなって。オレは仕事だったし、由美も娘たちも久しぶりに3人に会えて喜んでたしな」


「ホント、由美さんには世話になってばかりだな」


山本

「何言ってるんだよ? お互い様だろ? オレは土日が仕事なことも多いし、お前らが休みの日にウチへ遊びに来てくれるのは、すっげーありがたいんだぞ? それにさ、オレも由美もしたいんだよ、お前らのこと」


「応援?」


山本

「そうさ。お前とあの子たちは普通じゃないことをしようとしてるんだ。親の賛同を得るのだって難しいに決まってる。けど、今の世の中、一番尊重されなきゃならないのは本人たちの気持ちだ。周りが何と言おうと、オレと由美はお前たちの味方でいてやる!」


「山本……お前……」


山本

「おいおい、そんな顔するなよ! 当たり前だろ! だってオレ達は唯一無二の親友! 魂で結ばれた『ソウルメイト』なんだらかな!!」


「ありがとう、山本……。すっげー心強いよ」


山本

「でだ! そんなソウルメイトに聞きたいことがある! おとといの祝日はあの3人と部屋でヤリまくりかあ?」


「いや、それがさー。あの日はなんかと過ごすことになったんだよー」


山本

「は? 6人……?」


「ああ。いつもの3人に加えて、アヤネさんのギャル友のノアさんとヒビキさん。それにリサさんのお姉さんのシオリさんの3人。みんな、わざわざ俺にチョコ持って来てくれてさー」


山本

「へ……へえー……」


「大変だったんだぞ? ランチとディナーを人数分作るの。それに、誰が夕食の買い出しに行くかで揉め出すし……。ほら、俺の車って軽だろ? 俺の他に3人しか乗れないからさ」


山本

「え? お前、今年のバレンタインは女の子6人と一緒に過ごしたの?」


「ん? まあ、そうだな。なんかたまたま、そうなった」


山本

「……なあ、親友? 悪いが、お前との友情もここまでだ。今日までそこそこ楽しかったよ……」


「どうしたんだよ、急に?」


山本

「はあ? どうしただあ? 自分の胸に聞きやがれ!! この18禁ギャルゲ主人公!!」


「…………ソウルメイトが聞いて呆れるな」


山本

「ソウルメイトお? んなもん知らねーな!!」


ミサキ

「あっ! 店長さん、見いーっけ! これ、店長さんにあげるね! この前3人で作ったチョコー!」


山本

「えっ!? オレにくれるの!?」


ミサキ

「当たり前じゃん! だって店長さん、オッサンの親友でしょ! チョコあげるから、オッサンとはこれからも仲良くしてあげてね?」


山本

「もっちろん、するするう〜♡ だってオレ達、魂で通じ合うソウルメイトだもんな♡」


「……なんだコイツ」



番外編その① おわり


――――――――――――――――

(あとがき)

番外編はこんな感じでお届けしようかなと考えています(読者の皆様の反応次第?)

美女6人とのバレンタインパーティーの様子は、いつか本編でお送りしたいな〜


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【1章完結】オッサン、3人のギャルに『シェア』される!?〜元気いっぱいな美人ギャルに懐かれた平凡サラリーマン、ギャルづくしな毎日が始まってしまう〜 兎のしっぽ🐇🐇 @yanasuke

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