第1章エピローグ 3人のギャルと過ごす夏が始まる

第1章エピローグ「3人のギャルと過ごす夏が始まる」


「オッサン、何やってんのー? 行くよー?」


 部屋にある壁掛けカレンダーを1枚めくって立ち止まっていたら玄関から声をかけられる。


「あっ、はーい! 今行きまーす!」


 俺は慌てて3人の元へと向かう。


 自分の生まれた日付けにギャルの丸っこい字で『オッサンの誕生日♡』って書かれただけでも相当嬉しかったのに、まさか『4P♡』の文字が追加されるとはな……。


 人生、何が起こるかわからない。


「すみません。お待たせしました」


 靴を履き終えた俺は玄関の扉を閉め、3人とともにエレベーターへと向かう。


「オッサン、何取りに行ってたの?」


「ああ、を貰っていたのを思い出して」


「ん? 福引き券?」


「はい! ショッピングモールの福引きです! ちょうど4枚あるので、駅へ向かうついでにひとり1回ずつ挑戦しましょう!」


「へえー。1等は何が貰えるの?」


「確かリゾートホテルの宿泊券だったと思います」


「空クジなしって書いてありますね?」


「って言っても、貰えるのは残念賞のポケットティッシュですけどね」


「それ、オッサン的にはじゃん!!」


「え? なぜです?」


!! 今日もトイレでこっそりシコってたじゃん!! 2回もおお!!」


「シコッ――――!?」


 軽く石化するサラリーマンとニヤニヤとからかうような笑みを浮かべる3人の女子高生を乗せたエレベーターの扉が閉まる。


 こうして、俺と彼女たちとの初めてのお家デートは幕を閉じた。


 いつもの駅前でミサキさんと出会ってから、ちょうど10日目の出来事である。


 3人とのキスも仲良く済ませて、いよいよ本格的なシェア生活がスタートした気がする。


 だからといって俺の生活が劇的に変わるわけではない。明日も朝から普通に仕事だ。ただ……


「明日、学校終わったら速攻で買いに行こうね? そのままオッサンの車で家まで送ってもらうって、お母さんに言っとくー」


 いや、掃除機や炊飯器じゃないんですから、今日の明日で買って帰るなんて無理ですって!? 高い買い物なのでじっくり考えて決めたいですしね。1カ月ぐらいは先になると思ってもらわないと!


 と、わりと真剣に伝えたつもりが、なぜか爆笑で返された。


「そんなに待てるわけないじゃーん! あーしらなんだから!」


 なんか納得してしまった。


 明日さっそく中古車販売店を訪ねることになった。ギャルの行動力って凄まじいんだな。俺も見習わないと。


 あ、そうそう。


 金太郎電鉄で豪運パワーを遺憾なく発揮したミサキさんはゲーム内の宝クジに続いて、ショッピングモールの福引きでも特賞を引き当ててしまった。


 リゾートホテル1泊2日の宿泊券。しかも、オーシャンビューのスイートルームで2週間後の8月3日。ちょうど俺の誕生日という奇跡っぷりだ。


 昼は激かわギャル3人を連れてドヤ顔海水浴! 夜はホテルのスイートルームで汗だく4P! 俺史上最高の1日になること間違いなし!


 デカいベッドへ横たわる3人の柔肌を心ゆくまで堪能してやるぜえええええ!!


「ぐふふっ」


「あっそうだ、オッサン。夏休み入ったらさ。あーしら3人で、オッサンの部屋するから」


「え?」


 今なんと?


「だから部屋の模様替え! 可愛いクッションたくさん置いてさー♩ ベッドのシーツもね、もっとアガる感じにしてー♩」


「え?」


 アガるとは?

 

「ギャルっぽくするのー! あーしら3人でオッサンの部屋を超イケイケな感じに仕上げてやるからね!」


「え?」


 イケイケ?


「嬉しい?」


 ギャルが満面の笑みで尋ねてくる。


「は、はい。ソレハ、ウレシイナー」



 3人のギャルと過ごすアツアツの夏が始まる――



――――――――――――――――――――――

(あとがき)

ここまでお読みくださり誠にありがとうございます!


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