NTRが発生したのだが同じ様なNTRをされた女子に出会ったのだが
アキノリ@pokkey11.1
第一章 声を掛けた日
境遇の似た者同士
第1話 10月のある日
☆(弥吉宗助)サイド☆
悔しくて涙が止まらなかった。
それもその筈であろう。
俺の彼女が寝取られたからであるが。
本当に悲しくて仕方が無い。
体中の水分が無くなる程泣いている気がする。
「.....馬鹿だなぁ俺も」
そんな事を呟きながら俺、弥吉宗助(やきちそうすけ)は公園で空を見上げる。
それからまた涙を浮かべた。
そしてまた泣き始める。
塩分補給しなきゃとかそんな事を思いながら横を見る。
「.....何でよ.....」
5分前に来た彼女。
とても見惚れるぐらいの美少女であるが。
だけどずっとベンチで泣いている。
俺はその姿を見ながら顎に手を添えて考える。
(彼女は失恋したのではないか)という感じでだ。
でもまあそれを聞くのは失礼だ。
だからどうしようかと迷っていた。
スマホに写る俺の容姿を見る。
そこにはイケメンとか言われる顔がある。
母親曰くだけど。
だけどもう自信は無い。
俺はきっと呪われているのだ。
短髪で.....高校デビューで整えたのに。
全部無駄になった。
「.....」
だけどそれはそれとして女子が泣いているのが気になる。
俺は立ち上がりながら「あの」と声を掛ける。
「ずっと泣いている様ですが大丈夫ですか」とだ。
何をやっているのだ俺は?
女子にいきなり声を掛けるなんて。
「.....はい。大丈夫です」
「.....何か気になりましたので。それなら良いんですが」
そして俺は笑みを浮かべてから立ち去ろうとする。
泣きはらした。
もう帰ろう。
そんな事を思いながらだ。
すると美少女が声を掛けてきた。
「あの。すいません」
という感じでだ。
俺は「?」を浮かべてから背後を見る。
すると風が吹いてから少女の髪が靡いた。
帽子が外れる。
何か10月もあって滅茶苦茶寒い感じだがと思いながら少女の髪を見て驚く。
何故かといえば。
長い白髪だ。
「あ、す、すいません!不愉快な物を見せてしまって」
「.....い、いえ。綺麗だなって」
「.....え?」
「いや。素直に可愛いなって思いまし.....すいません。何を言っているんだか」
「.....この髪の毛.....気持ち悪くないんですか?」
気持ちが悪いとはどういう意味なのか。
俺は「?」を浮かべながら見ていると「私、言われました。この髪の毛は気持ちが悪いって。だからその。不愉快じゃないかなって思いました」と少女は困惑する感じで言葉を発する。
俺には何が不愉快なのか全く分からない。
「素直に綺麗です。.....すいません。こんな俺ですけど.....貴方に見惚れました」
「.....そうなんですか?」
「はい。.....眉毛も白いんですね」
「.....アルビノです。というか引き籠っていたせいもあって.....真っ白なんです」
「そうなんですね」
何故か会話が弾む。
すると女子は「失礼ですが.....貴方も泣いてましたね?」と聞いてくる。
その女子に俺は「ですね。ちょっと彼女が寝取られました」と苦笑いで本音を話す。
女子はショックを受けた様な顔をした。
それから「.....実は私もです。彼氏に浮気されました」と言ってきた。
まさかの事に衝撃を受ける。
「.....そうなんですね」
「はい。すいません。何か.....その。うん」
「.....いや。.....俺こそすいません」
「な、何か似ていますね。私達」
「そうですね。あはは.....」
似ているっていうか。
まさかそんな理由だったとは。
思いながら俺は汗をかく。
すると女子が「私.....墨高校の須郷七穂(すごうななほ)って言います。貴方は?」と言ってきた。
俺は「奇遇ですね!?俺も17ですね.....高校2年生っす。弥吉宗助って言います」と答えた。
「墨高校は俺の通っている学校です」とも。
「あ。.....じゃあ弥吉さんとは同級生ですね。.....私は不登校なので.....」
「そうなんですね。.....でもそういうのは決して悪くないと思います。事情があるなら」
「.....?!」
「.....え?」
「そういう反応をされたのは初めてです。だってみんな学校に行けとかばっかりなので.....」
彼女はそう言いながら酷く驚く顔をする。
俺はそんな顔を見ながら「俺は不登校は悪いって思いません」と宣言する様に答えながら「俺自身も不登校を経験したので」と目線を逸らしながら答える。
すると「.....そうなんですね」と須郷さんは目線を逸らす。
「.....俺達は何もかもが似ていますね」
「驚きですね」
「.....縁もあります。貴方に幸がある様に祈ってます」
「はい。弥吉さんにも」
「.....じゃあ」
そして別れようとしたのだが彼女が「待って下さい」と言ってきた。
それから「弥吉さん。貴方とはまた会いたいです。これ。連絡先です」と連絡先を渡された。
俺は驚きながら須郷さんを見る。
須郷さんは微笑みながら「声を掛けてくれて有難う御座いました」と頭を下げた。
「.....引き留めてゴメンなさい。元気になりました」
「.....そうすか?それだったら何よりです」
「.....じゃあまた」
「はい」
手を振ってから去って行く須郷さん。
それから俺は顔を触りながら連絡先の紙を見る。
何だあの子は。
可愛いじゃないか.....。
俺の彼女の100倍可愛いと思えた。
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