まとめ

 こうして10万字の長編が完成したわけなのですが、今回よかった要素を抜き出しておきます。


 まず、強固なコンセプトを決めてそこは譲らないと決めたことです。今回は「聖女と竜が恋をして成就する」ことを最大目標としていたため、そこに至らないと思った設定や描写はバシバシ変更していきました。


 また「竜を助けて追放、生贄にされてそれから聖法衣を取り返しに行ってハッピーエンド」の流れだけは変えないように、都合が悪くなったら設定の方を見直す方向で物語の軌道を作りました。これは先に短編としてまとめていたことが勝因であると考えています。


 それからこれは地味なスキルなのですが、「何字でどのくらいの表現ができる」という直感での文字数の感覚があるとシーンの名前を書くだけで下書きになります。この作品は一話を2000字~3000字、一章を3~5話で進行するという原則で概要を作り、追加のシーンが発生してもいいようにがっちりしたプロットを組まないで挑みました。これはプロット段階で悩んでいても書いているうちに変更が絶対出ると思ったので、物語の流れに合わせてシーンを組むためです。ロメール帰還の道程などはそんな風にして書かれています。


 あとは、キャラを信じることですかね。今回は自発的に動いてくれたルベリアさんに結構助けられました。そういうわけで彼女はさん付けなのです……。


 もちろん、ここで書いた方法は「突貫工事」であることを強調しておきます。ぎっちりプロット段階でいろいろ吟味すれば「聖女の祖母」ポカも戴冠式での立ち振る舞いで焦ると言ったこともありません。ただ、こう言った方法もあるということだけです。


 これでこの記録は以上になります。またどこかの作品でお会いしましょう、では。

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2ヶ月で着想ゼロから異世界ファンタジー10万字を書き上げたんだぜ記 秋犬 @Anoni

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