クリスマス トラベル
マイペース七瀬
第1話
青森県に住んでいるコウイチは、2023年12月24日、朝、悶々としていた。
今日は、クリスマスだ。
本当は、東京に残している真綾と一緒に過ごしたいと思ったが、できなかった。
コウイチは、東京の食品メーカーに勤務しているが、今年は、転勤になって、青森県に住んでいる。
真綾は、女優の有村架純に似ている。
要は、可愛いのだ。
「真綾に会いたい」と考えていた。
たまたま、だった。
コウイチは、今なら、真綾に会いに行くことが出来るんじゃないかと思った。
前に、新橋イチローのドラマ『東海道純愛組』を動画で観ていた。
そのドラマでは、浪速村トラ子が、東海道新幹線で、東京駅と新大阪駅を行き来している、日帰りで、となっていた。
トラ子は、のぞみ号で、朝、新大阪駅を出て、東京の新宿で遊んで帰ってきた。
コウイチは、もう40代後半になっている。
そして、コウイチよりも一回り年下の真綾にこれから会いに行こうと思っていた。
新青森駅の近所に住んでいるコウイチは、急いで、東北新幹線はやぶさ号の予約をした。
はやぶさ号ならば、6時間あれば、東京駅に着くと思った。
実は、まだ、5時である。
慌てて、コウイチは、新青森駅まで向かった。
そして、新函館北斗駅から出てきた東北新幹線はやぶさ号に乗って、東京駅に向かった。青森県・岩手県・宮城県・福島県・埼玉県・東京まで向かった。
車内で、コウイチは、何を考えていたのか、分からない。
ただ、真綾に会いたいばかりに、東京まではやぶさ号で向かっている。
東北新幹線はやぶさ号からの車窓で、沿線の風景なんて覚えていなかった。
東京駅に着いたコウイチは、LINEで、真綾に連絡をした。
真綾は、びっくりしていた。
こんなバカげた東京行きだが、真綾は、2時間が経って、東京駅にやって来た。
「どうしたの?こんな急に、連絡もしないで」
「や、真綾に会いたいと思って」
「なら、言ってくれば良かったじゃん」
と言った。
そう言いながら、東京駅の近所の飲食店で、唐揚げ定食を食べて、
「オレ、今から、帰るから」
と言った。
帰りの東京駅で、真綾は、これから、東北新幹線はやぶさ号に乗ろうとしているコウイチに「バカ」と言いながら、ちょこんとキスをした。
そして、真綾は、小さなサンタクロースの形をしたチョコレートを、コウイチにプレゼントをして、「今度は、正月会おうね」となった。
そして、真綾は、そんな少しの時間しか会えないコウイチだったが、束の間の幸せを感じた。
コウイチは、12月25日から、また、2023年の仕事を青森でしていたらしい。
<完>
クリスマス トラベル マイペース七瀬 @simichi0505
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
僕らの毎日ー2024年/マイペース七瀬
★0 エッセイ・ノンフィクション 連載中 13話
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます