第4話 まとめ 気になるお金の問題&海外旅行で体調を崩したら

前回までのあらすじ:ベトナム・ダナンで嘔吐と胃痛で動けなくなったが、なんやかやあって一泊入院して無事、帰国した。


 帰国して気になったのは、医療費だった。わたしは一度、別の病院に運ばれて処置を受けているからなおのことだ。しかし、お金は帰国前も帰国後も一切請求されなかった。保険会社からは連絡すらこなかった。


「間違った病院」の治療費は、おそらくホテルが払ってくれたのだろう。「正しい病院」へ移る前、女性スタッフが気まずそうに数えていたドン紙幣の束が、それだったのだと思う。


海外旅行の保険代はうろ覚えだが、3000円か4000円。これですくなくとも英語が通じ、ツーリスト慣れした親切な病院を紹介してもらえ、一泊の入院治療費がまかなえた。おかげで、無事に予定通りの便で日本まで帰ってこられた。安いものだと思う。

 

この経験から、わたしがお伝えしたいことをまとめると……。



1.海外旅行保険には必ず入ろう!


 海外旅行のさいには、「もったいない」と思わず、必ず海外旅行保険に入ることをおすすめする。万が一のとき、強い味方となってくれる。


クレジットカード付帯の保険などを頼る場合も、必ず「どのクレジットカードの何に頼るか」をはっきりと決め、「いざというときの連絡先」を控えておこう。有事にはパニック状態になるので、判断や手数はひとつでも減らしておいたほうがよい。


2.海外で体調を崩したらさっさと医者へ!


 海外で体調を崩し、ヤバいと思ったら、さっさと保険を頼って医者にかかろう。日本から持って行った薬が効かない、または効かなさそうなときは、とくに。英語がわからなくても、なんとかなる。

体験記にも書いたが、下痢などの症状であれば、医師から薬を処方してもらったら一発で治った、という経験を複数聞いたことがある。



3.緊急連絡先はわかりやすく、同行者と共有する


 いざというときは、どこに連絡をしていいのか、パニックになる。ネットで海外旅行保険に加入した場合も、かならず証書と緊急連絡先をプリントアウトしてひとまとめにしておこう。今回、プリントアウトにかなり助けられた。クレジットカード付帯の保険に頼る場合も緊急連絡先をメモしておくことをおすすめする。


そのうえで、旅の同行者がいる場合、海外旅行保険の証書の保管場所を共有しておいたほうがいい。クレジットカードの付帯保険を頼るつもりの場合も同様だ。


今回、保険証書の保管を担当していたのはわたしだった。わたしは口頭で保険証証の場所などを伝えることができたが、意識を失う、事故にあう、などのケースも考えられる。



4.同行者にはきちんと症状を伝えよう


 これはわたしの個人的な反省なのだが……。


体調を崩したときは、できるだけ早く、同行者にだいたいの症状を伝えたほうがよい。夫はわたしがバスルームにこもって吐いていたことは気づいていたが、どれぐらいの体調の悪さなのかはわからず、いきなり「保険会社に連絡して!」と言ったものだから、「しししし死んでしまうのでは!?」と思ったらしい。


わたし自身は苦しく、動けなかったものの、命に別状はないことは体感的にわかっていた。でも、そんなことはちゃんと伝えないとわからない。



5.英語……できるといいですヨネ……


「英語ができなくともなんとかなる」とは書いたが、英語はできるととても心強い。体調不良に関する英単語を知っているだけでも、かなり役に立つ。とはいえ、あの出来事から数年がたち、わたしは帰国後に覚えた「下痢」も「嘔吐」も忘れてしまっているのであるが……。



6.そもそもなんで体調を崩したのか?


 ここで、いったいなにが原因なのかを考えてみる。


3日目は、夫もわたしも、ほぼ同じものを口にしている。


いちばん怪しいのはバインセオ屋ではあるが、夫もわたしもメニューは同じ。ローカルな雰囲気の店で衛生的とはいえないが、ダナンへ来たらたいていの人は足を運ぶほどの超有名&人気店。そんなに食中毒が多発するとも思えない。


と、原因ははっきりしないが、夫と導きだした共通見解は「疲れ」だ。


仕事を旅行に持ち込んでしまい、早朝や夜に進めており、睡眠不足だった。そのうえ、現地は日本以上の猛暑。夫をはじめ、多くの観光客が難なく免疫で撃退できた菌か何かに、わたしはやられてしまったのではないか。


当たり前のことだが、休養や体調管理は大切、大切、超大切。夫は責めるそぶりも見せなかったけれど、とても申し訳ないことをしたと思う。



6.おしまいに


 ホテルのスタッフは、付き添いの女性スタッフも含め、非常に強力にサポートしてくれた。最後に自分からお礼が言えなかったのが残念だ(夫はチェックアウトのときにお礼を伝えたとのこと)。


 最初の病院には、迷惑をかけて申し訳なかったと思う。困りながらも治療してくれて、感謝しかない。「正しい」病院のスタッフにもとてもお世話になった。多くの人に助けてもらったできごとだった。



 というわけで、体験談はここまで。お読みいただき、ありがとうございました。


海外旅行が身近なものに戻りつつある昨今。いつかベトナム・ダナンをふたたび訪れて、ホテルにお礼を言い、そして今度こそ健康に満喫したいと思っている。


皆さまも、旅行に行かれるさいは、事故や病気にはくれぐれもお気をつけください!

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海外旅行で病院送りになった話 丸毛鈴 @suzu_maruke

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