先立つ不幸。そして小幸はメイド服に身を包む。
太陽の光で目を覚ますと、そこは博士の屋敷に用意された小幸の部屋だった。
慌てて身体を調べると、サテンのパジャマを着ている以外におかしな様子は無かった。
サイドボードには私服の代わりにメイド服が置かれている…
嫌な予感がしたが、仕方なくそれに着替えて一階に降りると、珈琲を飲む博士が出迎えた。
「流石は男好きする身体だねえ…」
明らかにサイズの小さいその服は、小幸の魅力を馬鹿みたいに強調している。
小幸は赤面しつつも、白痣女の過去を報告しようとした。
「言わなくていい。彼女の話は聞いた。憑依された君の口を通してな。あの女、外に出るなり夫の元に向かったよ…地獄で復讐するらしい」
それを聞いて固まる小幸に博士が言う。
「まだ君の借金は三億七千万残ってる」
稼いだ額より借金の残高に目眩がした。
そんな小幸に博士が笑って言う。
「先立つ不幸だ。次の怪異に出掛けるとしよう…!!」
怪蒐屋〜かいしゅうや〜 父親に売られた♀わたしを買った♂パパは、変態マッドサイエンティストでした… 深川我無 @mumusha
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