自分のことを、誰しもが肯定してくれるってわけじゃない。

 大手事務所の所属モデルの主人公は、とっくに縁を切ったはずの母親から電話を受ける。その内容は、普通ならば衝撃的なものだった。しかし、主人公はただただ、平坦に受け止めた。主人公の妹に関するその情報は、あるブイチューバ―と関りがあった。
 家族は姉である主人公に妹の面倒を強要する一方で、妹にはとことん甘かった。だから歪んだ母親は、妹を応援すると言いながら、妹が一人で何をしていたのかさえ、知らなかった。主人公は念書まで書いて家を出て、帰らないつもりでいた。
 しかし、何の気まぐれか、主人公は家に帰った。そして母親から、妹に託されたという一通の手紙を受け取る。そこには妹が抱えていた闇と、精神的な病みが綴られていた。
 
 どこまでも強く生きる主人公の言葉が刺さる一作です。

 是非、御一読下さい。