こんな小説を待っていた。
大人になるにつれ自分の心にフタをして、だんだんと本音を話す機会が無くなってくる。
でもこの小説を読むと、勇気を出して自分の言葉を発してみようと触発されるだろう。
逃げずに立ち向かうんだ。失敗したならもう一度。間違えたならもう一度。へこたれてももう一度。そんな風に問いかけてくるようで。
私自身もこう在りたいと強く思う。
主人公のセリフは取って付けたような飾りがないし、ストンと納得できるものだった。
主人公の叫びが、私自身の心にも響いてくる。
理不尽に抗い、自分の正義を貫く。
簡単そうにみえて簡単じゃないことだが、こんな純粋な主人公を応援したいし、もっと先の話しもとても楽しみにしている。
最後にもう一度。
こんな小説を待っていた。
作品を読ませてくれてありがとう。
「魔術漁りは選びとる」は、ただの異世界ファンタジーにとどまらず、読者の感情を深く揺さぶる物語です。主人公カナタの冒険を通じて、成長と葛藤、そして周囲との絆が巧みに描かれています。
物語の初期にカナタが初めて「選びとる」魔術を手にした瞬間は特に印象的です。この魔術の力を使いこなすために、少しずつ練習し序盤の最後でその力を活かして闘うカナタの姿は、読者に強い共感を呼び起こします。カナタの成長は、物語の大きな魅力の一つです。
その後もカナタが強力な敵と戦うシーンも見逃せません。特に、シリアスな敵キャラクターとの対峙では、単なる戦闘を超えて、キャラクター同士の信念や哲学がぶつかり合う場面が描かれています。彼らの戦いには、力だけでなく、深い心理的な駆け引きが存在し、読者は手に汗握る展開に引き込まれることでしょう。
さらに、物語の中でカナタが出会う人たちとの関係も魅力的です。どのキャラクターも独自の哲学や背景を持ち、彼らとの出会いや別れが、カナタの成長に大きな影響を与えます。出会いと別れ、家族や仲間との絆が、次第に深まっていく様子は感動的で、物語の進行に大きな影響を与えます。
これから始まる学園編では、新たなキャラクターや試練が待っていることが予感され、さらに物語がどのように展開していくのか、期待が膨らみます。過去に出会ったキャラクターたちが再登場する可能性もあるのかどうか。その際にカナタとどのような関係性を築いていくのか、楽しみにしています。
「魔術漁りは選びとる」は、深い感情と緻密に作り込まれた世界観が詰まった作品であり、ファンタジー好きの方や感動的な物語を求める読者にぜひおすすめしたい一冊です。
追記
学園編を読み終わりましたが、主人公の義母推しになりました。