第20話 バトン


命を繋いだのだと感じた


君たちは「命を繋いだ」んだね




すんなり出来た人


長年望んで待ち続けて出来た人


残念だけれど望んでいなかったのに出来た人




出来なかった人を野次っているんじゃない


ただ、神秘的だと私は感じただけだ




命を繋いだんだね


私に報告しに見せつけにきてくれたんだね


幸せなことだから、見せに来たんだね


それが私が望んでいなかったことだとしても




人によって命を繋いだことを


一緒に喜びたくなった人と


更なるダメージを受けた人に分けられるのは


なんなんだろう




君たちが過去私にどんな仕打ちをしたのかを


まるできれいさっぱり忘れたかのように


私に自慢大会を見せつけにきたんだよね




その事実に何が隠されていたのか


私は知りたくもないし、検証もしたくない


出来ることなら、その事柄全てをきれいさっぱり忘れて


繋がりなんて無かったことにしたい


君たちの親がわざわざ近寄って来て


人によっては悪口を吐いていく


人によっては無言で居てくれる


私はその事実にどう反応したらいいんだろう




それでも命を繋いだその事実だけは


なんだか尊いことに見えて仕方がない




そのことを詰りたい人が現れても


そのことを嘲笑われても


私は胸を張っていたい

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宝石になれなかった言葉たち @Sui_00

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