そして、推敲へ

 カクヨムコン9用の「イルコア戦記注解」を早めに投稿してしまい、暇になった。可処分時間がダダあまりである。


 小人閑居して不善を為すと、孔子は言った。

 カクヨムのお知り合いからも似たようなことを言われた。


 そういう観点からも、「イルコア戦記注解」を推敲して、「日本ファンタジーノベル大賞」に送りつけるというのは、悪い話ではない。


 しかしだ。よくよく考えてみるに、私は長編小説の推敲作業というものをちゃんとしたことがない。カクヨムに投稿した「スラザーラ内乱記注解」を「小説家になろう」に転載したときだけである。


 今回の「イルコア戦記注解」の推敲は、「スラザーラ内乱記注解」の場合とはちがう。

 分量を三分の二にしなければならないからだ。

 246枚をパズルゲームの要領で、166枚に収めなければならない。中身の質を高めつつ。

 なかなか難儀な作業だが、よい暇つぶしになる予感がする。


 しかし、推敲をすこししたところで、困ったことが二つ出た。


 一つ目は、パソコンの画面。横書きだと問題なかったのだが、30字の縦書きにページレイアウトを変更したところ、行全体が見えない。字を小さくすればよいのだが、そうすると字がよく読めなくなるのだ。

 いろいろ試した結果、ワードのリボンを非表示にして何とかなった。

 何とかなったのだが、ルビを振ったりするときに、いちいちリボンを開かなければならないのでめんどうである。


 二つ目は注釈。

 「スラザーラ内乱記注解」とその続編の「イルコア戦記注解」は、言ってしまえば、古代ローマの英雄カエサルの書いた「ガリア戦記」「内乱記」のパロディである。

 「ガリア戦記」「内乱記」ともに、カエサルの書いた本文に、訳者の注釈がついている。

 注釈者は、基本的に、現代の読者に向けて、補足説明をしているのだが、たまに、カエサルを批判したり、彼のまちがいを指摘したりしている。それが一種の漫才のように私には見え、おもしろかったので、自分でもそれをやってみようとした。

 架空の人物の回顧録(報告書)をつくり、それに注釈をつけたのだった。

 もうこの時点で、小説扱いしてくれない人も中にはいたが、おおむね好評だったので、「日本ファンタジーノベル大賞」に出す推敲版でも、注釈は残したいと考えている。

 しかし、そこで、問題が生じた。そう、どこに注釈をつけるのかという難問が。


 Web小説に書く場合は楽だった。各エピソードの本文の文章に※をつけて、その末尾に、注釈をつければ足りた。読者はスクロールをするだけで、簡単に読めた。そのために、各エピソードの分量は4000字以内に抑えた。


 だが、それを30×40の紙で表現しなければならなくなったとき、どこへ注釈を置けばよいのかという問題が生じたのだった。

 ふつうの注釈のように、注釈だけをまとめて最後に置くことにすれば、いちいち、何度も、注釈のページをめくらなければならない。章ごとにしても同じ話である。

 そこで私は、該当する注釈は、そのページの最後につけることにした。ちくま学術文庫の「ローマ帝国衰亡史」などのやり方にならうことにしたのである

 試しに数ページやってみたが、非常に手間がかかる。また、推敲を重ねて、文字数が増減するたびに、調整が必要となるだろう。

 しかし、まあ、それがいちばん読みやすいだろうから、一度、それでやってみる。

 「日本ファンタジーノベル大賞」の締め切りは6月30日だから、いろいろ試す時間はある。なにせ、いまのところは暇なのだ。


 というわけで、推敲作業をはじめてみますかな。

 あ~あ、何とか、一次選考を突破しないかな。

 きのう、十何年、公募に出し続けて、一度も一次を突破したことのない人のエッセイを読んだばかりだから、不安である。

 公募を勧めてくれた人も、場数を踏む必要性があると言っていた。

 本当は、公募向け小説とはどういうものかを勉強してから、出すべきなのだろうけど、性格的に、まずやってみてから調べるのをよしとする人間なので、やる気にならない。めんどうだしね。

 とにかく、一度、出してみることにする。



余談。

 「日本ファンタジーノベル大賞」の募集要項によると、「自作未発表」という規定があるが、これは、趣味でカクヨムに投稿しているのも入るのだろうか。

 すこし調べたかぎりだと入らないようなので、カクヨムに投稿済みのものはそのままにしておく予定だが、大丈夫だろうか。

 まあ、不安になったら、原稿を発送した段階で、下書き状態にすればいいや。

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