P活の後にはQuestionが残る

「はぁはぁ美咲ちゃん気持ちいかな?」


よく知らない男の興奮したような声と、こぼれ出る吐息は私にとって震えあがるほどに気持ちが悪かった。


今日も今日とて放課後に私はいそしんでいた。


こいつら欲望だけじゃなくて感覚まで終わっている。なんで見ず知らずの男に後ろから犯されて気持ちがいいと思えるのだろうか。まぁ気持ちいいと嘘をつくんだけどね。


「気持ちいいです。おかしくなりそう」


私が溢した言葉に興奮したのか中で大きくなった感触がした。大きくなりすぎると痛いから嫌なんだよね。


こんな感情は欲望に任せて腰をふることしか考えられない猿には理解してもらえないだろう。そもそもアダルトビデオにとりつかれているからこんなことになるんだ。


「はぁはぁイクよ」


汚らしい声とともにフィニッシュの宣言をされる。口から出てきそうなため息をグッと凝らして耐える。


「たくさんでちゃったよ」


そんな報告しなくていい!っと心の中でツッコミを入れる。だけどすぐに体を洗えばいい。そんな呑気なことを考えていると、部屋の中に着信音が響く。


「はい、もしもし。はい、大変お世話になっております~」


男は私の体から自らの刀を抜くと、携帯を取ってへりくだる。大人って大変なんだなぁ。


私はそのうちにお風呂に入り、汚れた体を清める。こんなことしている自分のことはクズだと思うが、お金を払って私たちとパパ活している男の方がクズだと思う。


念入りに体を洗い、十五分ほどで風呂場から出る。


「ごめんね美咲ちゃん。ちょっと会社に戻らなきゃいけなくなったからもう解散ってことで大丈夫かな?ごめんね。こんな仕事が入らなければもっともっと長く一緒にいられるんだけど」


男の一言にいらだちを覚える。なんでこんな奴とこれ以上長い時間一緒にいなきゃいけないんだよ。


「大丈夫ですよ。またお願いしますね」


「ごめんね。これお詫びというかごめんねの五千円これで好きなもの買いなよ」


男は鞄から取り出した財布の中から五千円札を私に手渡す。


「いいんですか?」


「本当に悪いことしちゃったし、申し訳ないからね」


これまでの人と比べたら少しはマシかもしれない。私は五千円札を受け取ると、一緒にホテルを後にした。


「じゃあまたね」


男はそう言って駅の方へと走り出す。右手につけた時計を確認しているあたり本当に急ぎの予定だったようだ。だけど私には関係ない。お金さえくれるのなら別にあの人にこだわる必要はない。


私も遅れて駅の方へと歩き出す。ほぼ毎日といっていいほどパパ活をしている人間にとってお金が一番大事だ。お金はどんなときにも必要だ。それは私の青春もかなえるためにも。


「え、うそ」


私は駅へ向かう途中、足を止める。


どうして勝人が他の女とイチャイチャしてるの。おかしい、そんなそぶりはなかったはずだし一回しか話したことはないけどそんな人には見えない。


「あんな笑顔ずるいじゃん。私が求めてる青春なんだもん」


青春のために私はパパ活してるはずなのに。なんであの二人は幸せそうなんだ。私、なんであんな奴の嫉妬してるんだろ。


私は頬が熱くなっていることを認めたくなかった。しかし、少し疑問に残ることがあった。


「あの女、誰なの」

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