六歩目「金髪と陽キャ」です!
————頑張るんだ。もう一年。
そう心に決め、私は学校へ行くのでした。
「おはようヨーデルちゃん」
「今日もいい天気だね。いってらっしゃい」
「おはようございます! 皆さんもお仕事頑張って下さい!」
そうだ。お父さんの言う通り周りの人達がどう思うかなんて関係ないのです。
村の人達ともこうしていつものように挨拶して——あ、おはようございます!
「おはよう。なんだか今日はいつもよりいい笑顔じゃないか」(あの子……留年したんだって?)
?
「ヨーデルちゃん。今日帰りに野菜持っていきな。いっぱいとれたからさ!」(エーデルちゃんは立派なのにねぇ。クスクス)
???
なんでしょう。なにか悪口を言われてるような……いえ、思われてる?
あれ? 私なんでこんな粘るような汗を?……
いやいやいや。まさかです。きっと私の気のせいです。昨日色々ありすぎて疲れてるんですよ。
「い、いってきまぁす!」
足早に学校へ向かい、到着です。
ちょっと疲れました。
はぁ〜。ふいにでた溜め息とともに席に着きます。いけないいけない。こんなんじゃダメだ。気を引き締めて直して授業の準備です!
「おはようございます。留年者、ヨーデルエルフェンフィートさん」
ピシっと体が石のようになりました。
誰ですか。この配慮の時代に配慮しないおバカさんは。いえ、この声は知っています。
「留年なんて逆にすごい事ですわよ。逆にどうすればなれるのか教えて貰いたいくらいですわ! ねぇ? 皆さん!」
なんの逆だよ。声でけぇよ。
このネチネチと嫌味たっぷりで話しかけてきたのは、どこぞのお金持ちのお嬢様、スカーレット・コーネリアルさん。苦手なタイプです。というか嫌いです。
「やめなースッカ〜。別に留年くらい大した事じゃないっしょ〜」
大した事なんですよ。大それてますよ。
いわゆる陽キャな彼女はウィークエンド・阿部さんです。友達も多いし成績もよく、クラスの中心にいつもいます。
悪い人ではありませんが正直苦手なタイプ……というか嫌いです。
「あ、じゃあ今日学校終わったら、皆でお茶会しようよ〜。ヨーちんの応援会って事で、さ☆」
どうしてこの人種はすぐ集まりたがるのだろう。あとあだ名やめなー。
あ、先生来た。
「騒がしいですね。授業始めますよ」
——学校が終わると私は逃げるように帰りました。
そして泣きながら部屋に直行し、布団の中で更に泣きました。
もう誰も信用出来ません。もうイヤです。どうして私がこんな目に……
部屋から出たく……ありません……
次回【引きこもり魔法使い。ヨーデル・エルフェンフィートの日常】
————始まります。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
エンディングと次歩予告
ムリです。もう何もかもが怖くて仕方ありません。
明日からは誰とも会わない生活をしまぁす!
それでは次歩の弱過ぎ魔法使いのヨーデルエルフェンフィート
【姉、襲来】です!
またお会い…ごめんなさい。もうそれは…できないんですよね。
弱過ぎ魔法使いのヨーデルエルフェンフィート イロハにぽてト @kikutanku
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