※読み合い企画からのレビューです
元王子の冒険者・バートと、その仲間であるヘクターは、とあることから聖女(かもしれない)ホリーと出会う
バートはホリーが本当に聖女であるか見極めながら、彼女を送るため共に旅をするのだが──という導入から始まる本作品は、善と悪について考えさせられる非常に深い物語だ
本作品には、さまざまな登場人物が出てくる
善人も、悪人も、そうでない人も
そして、人間の敵である魔族すらも一枚岩ではない
尊敬に値する魔族も、侮蔑に値する魔族も、本当にさまざまだ
バートは極度の人間不信だ
本当は人を信じたいくせに、義務感で善を成しながら、幾度も人間の醜さを見せつけられてきた
ホリーの存在は、果たして、彼にとっての救いとなるのだろうか
二人の行く末を、是非その目で確かめてみてほしい
おすすめです
戦火に沈み、滅びたチェスター王国。
その最後の王子は、帝国に幽閉されたとも、すでに処刑されたとも噂されていた。
しかし、彼は生きていた。
聖女を目指し、旅を続ける少女・ホリーは、ある日、野盗に囚われる。
絶望の淵で彼女を救ったのは、冷徹な剣士・バート。
彼の剣は氷を纏い、その瞳は深い闇を宿していた。
「王子……様?」
少女の無意識の言葉に、剣士の瞳が微かに揺らぐ。
その瞬間、静かに閉ざされていた運命の扉が、再び開かれた。
かつての王国の未来を背負う剣士と、世界の"善"を信じる少女。
交差する二人の旅路の先にあるのは、希望か、それとも滅びか。
隠された"真実"が明かされる時、世界の歴史が動き出す。
近年では世界観は軽視されがち、と言うのが私の感想です。
こうもきっぱり言うと語弊を招きかねませんが、世界観と言うよりはキャラクターやキャラクター同士のやり取り、戦闘や日常などキャラクターを中心として世界観が作られる、そんな気がしています。
ですがこの作品は作り込まれた世界観の中でキャラクターが生きている。そんないい意味で今のファンタジー作品には少ない要素が含まれているなと感じました。
ここまで押しておいて星2なのは世界観が複雑すぎるが故に理解できる人が限られるかもしれないと思ったからです。作品自体の完成度と言うよりは、読者の読みやすさ等を考慮した結果こうなりました。これからのご活躍に期待して、今回のレビュー評価はこのままいかせていただこうと思います。
非常に興味深い作品をありがとうございました! 作者様のますますのご活躍を願っています!