狂っている、そう呟いた雪人は、再びあの忌み地に足を踏み入れた……

 主人公の奥戸雪人(おくどゆきひと)は、六年ぶりに帰省します。そして彼は実家を目前にして呟くのです。「狂っている」と。雪人は待ち合わせ場所に従兄弟の鷹臣が現れないので、暇つぶしに実家とは別方向の獣道に足を踏み入れます。そこで雪人を待ち受けていたものとは……。
 実家にまつわる陰鬱な言い伝えから、あっと驚く最後の展開が魅力の作品です。
 素敵な物語をありがとうございました。
(メモ、短編25)

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