作者あとがき


 あとがきを書こうと思って【完結】ボタンを押さないまままに、燃え尽きておりました。(まだ、しばらくの期間は燃え尽きていると思われます)


 原稿が完成したのが2023年末、連載終了が2024年の1月17日。

最終的に原稿が完成していても、何度も推敲(書き直し)を重ねていましたので、結局は1月16日の夜まで本作と向き合っていたことになります。


 PVや★の評価は前作を上回ることが出来ませんでしたが、作品の完成度や前作からの創作上の課題については納得いくものがつくれたと思っています。


 次作品を創れるなら、次につながる様々なものを学べ生み出すことが出来たかなと思っています。


 

 ■物語を読んでくださった方へ


 この物語のテーマというのは「ズレを埋める」というものだったように感じます。


主人公格の登場人物「傭兵団長ルーヴェント(王子クレイヴァス)」「王女ベアトリーチェ」は並外れた何かを持ちながらも、どこかズレた部分があります。


 そのズレは微妙に修正されながらも、本編の最後で決定的にズレてエンディングで修復されることになります。



 本編では、そのズレた部分を脇役である傭兵団の者たちや、(あまり語られませんが)エフタル王国の家臣が埋めていきます。


 カシス、ディルト、ユキ、これらの傭兵団幹部はルーヴェントを人格そのものから支えていたと言っていいでしょう。

 また、同じくマピロ・マハマ・ディロマトや盗賊団長マティウスやステファノが、ベアトリーチェを支えていました。

 

  

 傭兵団長は、ベアトリーチェのズレた認識などを暴力的なかたちで埋めていく。そのベアトリーチェは、傭兵団長の心の歪み(ズレ)となった妹ベーグルの影を持っている。

 最終的に傭兵団長の心の歪みを、もとに戻せるのはベアトリーチェであり、カシスがその強力な手助けをしたと作者的に考えています。



 

 物語の後半からエンディングにかけて、大きくテーマをまとめつつも、主要な登場人物たちの心の奥の方の働きを描くことが出来たと思っています。


 主人公格のふたり以外の主要キャラも、初出時と最後では(立場的、心理的ともにに成長と言える)変化をさせるように心がけまして、ここも無理なくいけたかなと納得しています。

 


 また、エンディングのみに出て来たキャラ(ルーヴェントの新しい世話役セレス、修道女ミーナ、用務員ヒルデハイム)も物語の上で深みを出すスパイスとして上手く仕えたかなと思っています。

 


 個人的に、好きなキャラは男の娘ユキでした。

 彼は傭兵団長の後をついで「男の娘」から「女装の麗人」へと変貌し、ステファノと共に一大勢力を築いていき、ロンバルディアの自治領を独立国家に押し上げます。まあ、そのあたりのストーリーを書く必要が生まれなかったのが残念です。



 では、ここまでお付き合いいただきありがとうございました。

 イレギュラーで幕間などを書くかもしれません、よろしくお願いします。


 これ以上の作品を書けるとは『今は』思いませんが、またお会いできるのを楽しみにしております。


 天音朝陽

 

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「追放された王女」は「最強の傭兵団長」に奴隷として買われる 天音 朝陽(てんのん ちょうよう) @jinsord

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