時間捜査官は踊る
木口まこと
全1話
「歴史が変わってしまった世界も原理的には存在するんだよね?」浅井詩織と冗談を言い合える仲になった頃、僕は聞いた。
「原理的にはね」詩織が微笑んだ。詩織の笑顔はいつも眩しい。「でも、そんなものは見つかってないわ。見てもわからないくらいの細かい違いはあるのかもしれないけど、大きく歴史が変わった世界に行った人はいない」
「ジョン・レノンが殺されなかった世界とか」僕は言った。
「ダイアナ妃が亡くならなかった世界とか」と詩織が応じた。
「東日本大震災が起きなかった世界」
「第二次世界大戦がなかった世界」
「江戸幕府が続いてる世界」
「ローマ帝国が滅亡しなかった世界」
「ネアンデルタール人が生きてる世界」
僕たちは次々と可能性を挙げていって、一緒に笑った。
「そんな世界は見つかってないの」詩織が言った。「どの世界も一見しただけでは寸分違わないわ」
「衣服も含めて遺留品はなかったが、DNA鑑定から白骨死体の身もとは判明した。白鳥恵子、五年前から行方不明だった女性だ。当時二十七才。夫から捜索願いが出ていた」
田口警部の説明を聞きながら、僕はラップトップに表示させた捜査資料を追う。リンクをクリックすると、被害者の生前の映像が現れた。夫が撮影したものらしい。指先でズームアップして、顔を記憶に叩き込む。薄い化粧でも目立つ顔立ちの女性だった。
「犯人の目星は?」僕は聞いた。
「夫の言葉によれば、恵子は当時、かつての交際相手に付きまとわれていたそうだ。確かに警察に相談記録が残っていた。任意で呼んで話は聞いたんだが、今のところ決め手になりそうな情報はない」
書類をスクロールしていって、その尾崎という男の聴取資料を見つけだす。その顔と恵子の夫の顔を記憶する。
「そんなわけで、この事件を時間捜査の実証試験の対象に選んだ。失踪前の恵子の周辺を調べてきてもらいたい」田口が言った。「尾崎は容疑者のひとりにすぎない。くれぐれも先入観は禁物だ。事実を見てきてくれ」
時間捜査官専用のオフィスに戻り、資料を整理して、捜査の方針を検討する。とりあえず、最初は広く浅い調査からだ。ラップトップから詩織に連絡して、予定を打ち合わせた。
二時間後に時間跳躍室に入った。
「いらっしゃい、原田君」作業着姿の詩織が迎えてくれた。「今回は一週間なのね」そう言って、着替えや装備一式がはいったボストンバッグを僕に手渡す。
時間跳躍台に立ってベルトを締め、クロームの手すりを握ると、詩織の助手の亜里沙がベルトを確認した。コンソールの前に座った詩織が「じゃあ、一週間後にまたここでね」と言ってパネルにタッチした。一瞬目の前の景色が流れて、次の瞬間、僕は捜索願に書かれた失踪日より一週間前に到着していた。
五年前の詩織がこちらを見て、「あら、原田さん」と言った。この頃はまだ「さんづけ」だったのだ。いつから「原田君」になったんだったかなと考えながら、「お世話になります。二〇三五年から来ました」と言ってベルトを外し、時間跳躍台を降りる。
署を出て、電車で恵子と夫が暮らす甲府に向かい、住所を頼りにふたりが暮らすマンションを探し当てた。まずは目の前の喫茶店に陣取って様子を伺う。
一時間ほど待った頃、恵子が玄関に姿を現した。映像で見た通り、目を惹く顔立ちだった。服もカジュアルながら、うまく着こなしている。急いで喫茶店を出てその姿を目で追う。そのとき、マンションの陰から恵子を見つめる男がいるのに気づいた。尾崎に間違いなかった。
恵子に勘づかれないように注意して尾行してみたが、彼女は近所の商店街でいくつか買い物をして、マンションに戻っただけだった。万が一夜中に動きがあった時に備えて、マンションの入り口を見張る小さな監視カメラを目立たないように設置し、近くのホテルにチェックインした。
続く四日間、恵子のまわりを調査して歩いた。そのうちの二日、恵子は歩いて十五分ほどの職場に行った。恵子が仕事をしている間、僕は職場が見える喫茶店でラップトップを開いて時間をつぶした。そう、実は時間捜査官の仕事のほとんどは待つことなのだ。何かが起きるまで、ひたすら待ち続ける。その間、尾崎は一度だけマンションの近くに姿を見せたが、何かをしようとする気配はなかった。
翌日の昼前に恵子は夫と車でマンションを出た。恵子がハンドルを握っていた。時間捜査官と言えども空間を移動できるわけではないから、車に乗られてしまえば追いかけるすべはない。今回は最初の調査なのでレンタカーも用意していないが、これは想定の範囲内だ。喫茶店で待っていると、夕方になって夫がひとりで車を運転して戻ってきた。恵子はそれきり姿を現さなかった。
元の世界に戻る時には時間跳躍台は必要ないので、どこからでも戻れる。戻るというより、引き戻される感じだ。理屈は詩織が以前説明してくれたものの、あまりよく理解できなかった。とにかく量子相関が重要らしい。予定の時刻に、僕はすっと引っ張られるような感覚を覚えた。
「お帰りなさい、原田君。変わりはない?」時間跳躍台を降りると詩織が言った。
「ありがとう。ちょっと疲れたけど、大丈夫」そう言って、亜里沙にボストンバッグを手わたした。そのまま部屋を出かけたが、思い直して振り返った。
「今夜、食事でもどう?」亜里沙に聞こえないように詩織に囁いた。
詩織が微笑んだ。「いいわよ。じゃあ、五時半に玄関で」
うきうきした気分で田口警部のもとに報告に向かった。
「どうだった?」田口が聞いた。
「とりあえず、失踪の日はわかりました。夫の申告より一日前でした。これは怪しいと思います」
「そうか。じゃあ報告書をまとめてくれ。次は失踪日に跳んでもらうことになるだろう」
オフィスに戻り、まずは時々ひとりで行く寿司屋に電話して、個室を予約した。それから報告書を作って田口に送信した。時計を見ると、五時十五分だった。ちょっと早いかなと思いながら、玄関に向かう。
詩織はもう待っていた。淡い緑のワンピースを着た姿が美しい。仕事中はまとめている髪も今はおろしている。僕を見つけて、手を振った。
「原田君、おつかれさま」と詩織が言って、僕たちはビールで乾杯した。疲れたからだにビールがしみわたった。
「署の連中からは、時間捜査官は万能だと思われてるんだよね」刺身をつまみながら、僕は言った。「僕たちの仕事は通常捜査で得られた情報の隙間を埋めることなのに」
「あら」と詩織は小さく笑った。「女性を誘っておいて、仕事の愚痴?」
「あ、ごめん」と謝って、そのあとは音楽や映画の話に花を咲かせた。
「また誘ってもいい?」別れ際に聞いた。
「もちろんよ」と詩織が答えた。
僕は上機嫌でマンションに帰った。疲れはどこかに飛んでいた。
詩織は僕よりひとつ歳上で、物理学の博士号を持っている。五年前に僕が刑事課から時間捜査官に抜擢された時にレクチャーしてくれたのが彼女だった。
「原田さん、最初に知っておいてほしいんですが、時間跳躍はほんとうの意味でのタイムトラベルではありません」とその時彼女は言った。「タイムトラベルは不可能です」
「それはなぜです?」と僕は聞いた。
「タイムパラドックスが起きるから。自然はタイムパラドックスを許してくれないんですよ」
「僕は事件の捜査のために過去に戻ると思っていたんですが」
「殺人事件の捜査で過去に行くとしますよね。そこで捜査官が介入して殺人を未然に防いだらどうなると思います?」
「殺人は起きなかったんだから、過去に捜査に行くこともない。でも、それでは事件を防げないから、やっぱり殺人は起きてしまう。すると捜査官が過去に跳んで、また殺人を防ぐ。ぐるぐる回りですね」
「そう。でも殺人事件はすでに起きてしまったのだから、それは変えられないんです。殺人が起きたか起きなかったか不確定な世界なんか、自然が許しません」
「でも、過去に跳べる限り、その可能性はあるでしょう?」僕は首を傾げた。
「そうです。だから」と詩織が言葉を切った。「過去に跳ぶと言っても、実は行き先はわたしたちの世界とは別の世界の過去なんです」
その話にはなんとなく聞き覚えがあった。「並行世界ってやつですか?」僕は聞いた。
「そう。万が一そこで事件を防いでも、わたしたちの世界には影響しません。そっちの世界ではそもそも事件は起きなかったというだけです。それがその世界の歴史です。時間跳躍が実現した時に物理学者たちがさんざん議論して、出した結論がそれでした。実証は難しいけど、論理的にそれしかないと考えられています」
「並行世界は理論的な存在なんですね」
「実証する手段がないんです。でも、それだけではまだ足りません。もっと複雑なパラドックスがあるから。ちょっと考えてみてください」
タイムパラドックスの思考実験といえば親殺しと相場が決まってる。僕はしばらく頭をひねって、時間跳躍を二度行えば並行世界でパラドックスが起きることに気づいた。
「変な例だけど」と前置きした。「並行世界で女の子と恋に落ちて、子供が生まれたとします。次にもっと昔に跳躍して、女の子の親を殺す。いったい子供は生まれたのか生まれなかったのか」
詩織がうなずいた。「さすがです。時間捜査官に選ばれるわけですね。どうしてパラドックスが起きたと思います?」
「いかに並行世界といっても、過去に二度行くと向こうの世界でタイムパラドックスが起きるんですね」
「そう。そして、それは自然が許さない。だとしたら、その答えは?」
僕はまた少し考えてから、おずおずと言った。「もしかして、同じ並行世界には二度と跳べない?」
「ご明察。過去に跳ぶたびに別の並行世界に行くと考えられています。並行世界は無数にあるに違いありません。どれもわたしたちの世界とほぼ寸分違わない世界です。でも、同じ世界の過去には二度と行けません」
「そうだとすると、さっきの話のように、殺人事件を未然に防いでもいいことになりませんか?」
「原理的にはいいのですけど、その世界では殺人事件は起きなかったのだから、そこで何を調べてもこちらの世界での事件を解決することにはつながりません。わたしたちの役に立つのは、殺人事件が起きた世界での過去の情報だけなんです。だから、時間捜査官が跳んだ先で事件に介入するのは禁じられています」
「なるほど」と僕はうなずいた。「じゃあ、逆に並行世界からこの世界にも時間捜査官が来てるんですか?」
「もちろん。二年前に時間跳躍機が設置されてから、何度もやってきました」詩織が僕の目を見つめた。「原田さんにも十回以上会いましたよ」
恵子の失踪日への時間跳躍を三度繰り返して、事件の全貌は把握できた。最後の調査ではふたりの車にGPSをつけて、レンタカーで追った。夫が森の中で恵子を殺し、用意した袋に詰めて別の森に捨てに行ったのが確認できた。恵子が身につけていた服や凶器となったロープはさらに別の森で焼いた。遺体を入れてきた袋も、自分が着てきた服も一緒に燃やし、すっかり燃え切るまで見守っていた。周到に準備された犯罪だった。尾崎はこの事件とまったく関係なかった。
問題は証拠だ。時間捜査官の証言には証拠能力が認められない。所詮は並行世界でのできごとだからだ。あくまでも僕たちの世界で証拠を見つけなくてはならない。
僕の報告に基づいて遺留品を焼いたあとを徹底的に捜索した結果、ついにわずかに焼け残ったロープの切れ端が発見された。それが決め手になった。
事件が片付いたので、また詩織を食事に誘った。僕は今度こそ酔っても仕事の愚痴を言わないと心に誓った。そして、もうひとつ誓っていたことがあった。
詩織は音楽と小説に詳しかった。最新のフランスのエレクトロ・ダンスミュージックについてとりわけ熱く語ってくれた。その話を聞きながら、僕は彼女に見とれていた。ふたりとも読んだばかりの村上春樹の新作の話では大いに盛り上がった。詩織がちょっと辛口の感想を言って、僕は笑った。
話が途切れたとき、僕は思い切って言った。「恋人になってくれないかな?」
詩織は黙って僕の目を見つめたまま、僕の手を握った。
二か月後、僕たちは一緒に暮らし始めた。署の仲間からはさんざん冷やかされた。
時間捜査を命じられる機会がそれほど多いわけではない。開始から七年経ってもまだまだ実証試験の段階で、跳躍機は全国でもうちの署にしかないし、専任の捜査官も四人しかいない。他の署からの捜査依頼も引き受けてはいるものの、扱う事件は捜査官ひとりあたり年に数件といったところだ。それでも、時間捜査がきっかけになって解決した殺人事件は少なくなく、警察内部では有用性が認められつつあった。ただ、その事実は世間には知られていない。
時間跳躍では到着先にも跳躍機がなくてはならないから、今のところは七年前までしか戻れない。これから年が経つにつれて、その期間は伸びていくはずだ。
時間跳躍の技術的な面は科捜研から出向してきた詩織が一手に引き受けていた。詩織の下に若い亜里沙がいて、時間跳躍室のスタッフはそれで全員だ。あとは時折、理化学研究所の研究者がやってくる。
時間跳躍から戻ると、詩織が決まって「お帰りなさい、原田君」と言って迎えてくれる。一緒に暮らし始めても、彼女は僕を「原田君」と呼び続けた。「ただいま」と僕は笑う。
朝は詩織と朝食を食べてから、たいてい一緒に出勤する。僕は毎朝卵を焼く。夜は詩織と肩を並べてワインを飲みながら映画を見たり音楽を聴いたりして過ごす。
時間捜査に出ていなくても意外に仕事は多くて、暇にはならないのだが、幸い残業は少なかった。僕たちは充実した日々を過ごしていた。
そんな生活が一年ほど続いたある日、朝のニュースで奇妙な事件が報じられた。東京郊外のひと里離れた一軒家で十人の白骨死体が一度に見つかったのだ。DNA鑑定によれば、必ずしも全員が家族というわけではないようだった。死後四年程度と見られていた。
「これは時間捜査案件かもしれないわね」詩織が言った。
「そうだね」と僕は答えた。
案の定、その一週間後に田口警部に呼び出された。
多くの場合、時間捜査はまず事件がいつ起きたかを特定することから始める。今回の事件はかなりの難関で、数ヶ月程度の不確定性が見込まれていた。短期間の時間捜査を何度も繰り返して、日付を絞っていくしかなさそうだった。
時間跳躍のたびに別の並行世界に行くというのは、頭ではわかっていても不思議な話だ。僕が暮らす世界と寸分違わない世界が無数にあって、僕が時間捜査で並行世界に行っているときには、別の世界の僕が僕の世界を訪れている。違う歴史をたどった世界があっても原理的にはかまわないはずだが、おそらく時間跳躍で行ける先はほとんど同じ歴史を持つ世界に限られるのだろうと考えられていた。並行世界間の「近さ」のようなものがあるに違いない。だからこそ、時間捜査が意味を持つわけだ。
一日だけの時間跳躍を一か月近く続けて、ようやく事件が起きた日を一週間程度の範囲に絞り込めた。
「次の段階に進めるな」報告を受けて、田口警部が言った。「事件前のできごとを詳しく調べてきてくれないか。とりあえず一週間にしようか」
時間跳躍室に入ると、詩織がボストンバッグを手渡して「久しぶりに長い跳躍だから気をつけてね」と言ってくれた。それから、亜里沙にちらっと目をやって、彼女がディスプレイに見入っている隙に僕の頬に軽くキスをした。僕は時間を跳んだ。
「いらっしゃい、原田君」と並行世界の詩織が言った。四年前にはもう「原田君」だったのだ。
ホテルをとって、レンタカーを借りた。現場はひと里離れた家だけに、車であまり近づき過ぎると、中の人たちに気づかれてしまう危険がある。少し離れた場所に車を停めて、歩いて近づいた。たしかにまわりに他の家はなく、問題の家だけがぽつんと建っている。林の中なので、身を隠す場所には困らなかった。とりあえず、超小型の監視カメラを設置して様子を見ることにした。
三日間監視していると、一日に一度、決まって朝の九時に全員が庭に出てくるのがわかった。全部で十人。DNA鑑定が示す通り、全員が家族というわけではなさそうだった。半分は高齢者で、小学生くらいの子供もふたりいた。彼らは一列に並んで空を見上げ、互いの手を握り合う。決まって真ん中に立つ老婆が低いうなり声を出し、他の人たちもそれに合わせる。十分ほどそうしてから全員が家に戻り、あとはトラックで出かけるひとりを除いて姿を現さない。トラックはしばらくすると戻ってきて、運転手が荷物をおろす。買い出しに出かけているようだ。
監視をはじめてから五日目の午後、珍しくいつもと違う時間に十人全員が庭に現れた。みんなで黙って、群生する草を抜き始める。草は美しい花を咲かせていた。僕は花を拡大して記録する。抜いた花をだいじそうに抱えて家の中に運ぶと、また全員が姿を現した。朝と同じように一列に並んで空を見上げ、うなり声を出しはじめる。今回は長く、声は三十分近く続いた。それから、全員が家に入っていった。それきり監視カメラに人の姿が映ることはなかった。翌日も誰も姿を見せない。
戻る日の朝に思い切って家の中を覗いてみた。全員がひとつの部屋に並んで横たわっている。見るからに死んでいるのがわかった。僕は静かにその場を離れ、自分の世界に戻った。
「お帰りなさい、原田君」いつものように詩織が迎えてくれた。「どうだった?」
「大量殺人ではなかったよ」と僕は答えた。
時間跳躍室を出たその足で田口警部に報告に向かった。
「あれは小規模なカルトですね」僕は言った。「一斉に毒草を食べたようです。トリカブトだと思います。信仰上の理由があるのでしょう」
「そうか」警部が答えた。「ご苦労さま。動機を明らかにするのは難しいかもしれんな」
夕食後に詩織とワインを飲んだ。詩織の好きなエレクトロ・ダンスミュージックが静かに流れる。複雑なリズムが心地よかった。
「おつかれさま」と詩織がねぎらってくれた。「不思議な事件だったのね」
「殺人じゃなかったのはよかったのかもしれないけど、彼らが死を選んだ動機は解明されないだろうね」僕はワインを口に運んだ。
「ねえ、聞いた?」と詩織が話題を変えた。「イギリスのチャールズ国王が来日するんですって」
「そうか、かなりのご高齢なのに大丈夫なのかな」僕は言った。
「ダイアナ王妃も一緒よ。あのかたは歳をとっても本当に美しいわ」
「ダイアナ?」僕は思わず声を上げた。「今は何年?」
「何を言ってるの」詩織が不思議そうに言った。「二〇三六年に決まってるじゃないの」
僕は笑うしかなかった。僕たちはどうして同じ世界に戻ってくるはずと信じていたのだろう。
「踊ろう」詩織に言って立ち上がり、その手を取った。
「いきなりどうしたの」笑いながら詩織も立ち上がる。
僕たちは音楽に合わせていつまでも踊り続けた。
時間捜査官は踊る 木口まこと @kikumaco
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