名前

紫閻-sien-

とある廃屋に来た男 一体の人形を見つけ 思わず手に取る

それは幼い男の子を型どった人形で

やけに顔がリアルで不気味さを感じるものだ


その人形を男が手にした時


「ボクノ ナマエハ ○○」 突然人形が喋り出した


怖くて放り投げてしまう男 人形は床に強く叩きつけられる


「イタイ ヒドイヨ ナニスルノ」涙声で訴えかける人形


可哀想なことをした そう思い もう一度 人形を拾い上げる男


「ボクノ ナマエハ○○」 また喋り出す人形

だが、 その名前は男の名前だった


何故自分の名前を知ってるのか怖くなり 床に置こうとすると


「ボクノ ナマエハ○○ ボクノ ナマエハ○○・・・・」

物凄い力で 男の腕を掴みながら何度も男の名前を唱える人形


男の意識がドンドン遠のいていく


と、その時


「誰だ!!!」 男のいる部屋に誰か入ってくる


懐中電灯で顔を照らされ我に返る男


部屋に入ってきた何者かは警備員だった

この廃屋の見回りに来たらしい


「誰? 僕は ぼくは ボクハ・・・」

何故か自分の名前が言えなくなった男


「ボクハ ダレナンデショウ」


目は虚ろ ボロボロになった人形を片手におとこはこたえた




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名前 紫閻-sien- @sien702

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