ホープ・イーター

武江成緒

ホープ・イーター




『ホープ・イーターを退治してくれ』


 沼にはまったマヌケドープなジープを引きあげられて、鶏小屋コープみたいなボロ家ながら一夜の宿と、シープのスープも馳走になって。

 その返礼にゃ高くついたか安いのか、とにかく村の希望ホープを喰らうソイツのすみかへやって来た。




 灰褐色トープに濁ったその湖は見るからに、色んな意味でディープな気配をプンプンさせて、岸辺にゃなんだか正体を解りたくもない無残な小山ヒープが積みあげられて。

 うなじネープがチリチリ泣きウィープはじめた。


 おっかなびっくり岸に近づいて、あわれな犠牲のなぐさめ代わりに竪琴ハープをゆっくり弾きはじめる。

 だんだんとノッてきたとこで、ブクブクブクと石鹸ソープみたいな泡が湖面に立ちはじめ、恐るおそる覗いてピープ見りゃ、一気にでっかいゲップバープが弾けて、ソイツが空へおどりあがった。




 ジープに飛び乗りアクセルを踏む。水から飛び出たリープヤツはガッチリとアゴを噛みしめたんだが。

 残念。

 ジープのケツプープマントケープみたいに結んだ防水布タープを喰っただけだ。


 ワナに掛かったと鋭利シャープなキバと目をひからせてももう遅い。

 当の俺は運転席から転がり落ちて、あたりに張りめぐらせておいたロープを一気に引っ張った。

 無数の輪っかフープがキバを剥いて、テープみたいに絡みついて、こんどはヤツの希望ホープを締めあげにかかる。


 クビから先が雁字がらめで暴れつづけるソイツの姿は、なんていうか、でっかいカープの化け物だった。

 人をさんざん喰って龍にでもなりたかったか? チープな夢をこじらせやがって。




 脳天に一発ブチ込み、ヤベえドープ悪夢にエンドを打つと、おとりに使ったジープはヘソを曲げたのか、またも沼にハマりこんでた。


―――こりゃねぇわノープ


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ホープ・イーター 武江成緒 @kamorun2018

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