失われる温度

働き初めの希望、若い頃の夢見がちな感性、周囲のそういったものから受け取るエネルギー。そういう綺麗な熱量が生々しい日々の中で温度を失っていく様をポケットの中のカイロをシンボルにして書かれています。

身近なカイロをシンボルにしたところが良くてすごくすっと入ってきて共感しました。

ただもう少し見せ場があっても良かったかなと感じました。調子が一定で物語のどこに注視すべきなのかが伝わりづらくなってしまっているかも。

ラストシーンや店員さんの手に触れるところでリズムを変えたり、もっと深く表現したり、反対に極端にシンプルにしたりして着眼点を意図して作れば受け取り手がよりこの話に入り込みやすくなると漠然とではありますが感じました。