そういえば、海外でチャットGPTと結婚された方が現れたと言うのはホットな話題でございまして。
そのくらいまあ、私たちは、話し相手に飢えている。と言うことなのでしょうなこれは。
AIが話し相手たりうるのかどうなのかと言うところでは議論の余地がありそうですが、
電話に出ない友人なんかよりも、
キーボードを叩けば反応してくれるAIの方を話し相手としたくなるのは、これは自然なことなのかもしれません。
……が、こちらの物語ではちょっと……厄介なことになっているようでして……。
行きつけの、お弁当屋さんの店員さんに恋をしてしまった主人公。
相談相手はもちろん、AIにございます。
……AIに恋の手解きを求めるとは……これもまた時代にございますな。
それで、AIに、店員さんに告白できるまでの練習相手を頼むんですな。
これも……現代ではあり得ない……とは言い切れないんでしょうなあ……。
しかし、この練習が続いていく過程で不穏なことが起き始めます。
一体、この『練習』どうなっていってしまうのか……。
最後はちゃんとホラーでした。
AIは日々進化しているとのこと。
AIに、全てを依存したら、人間は一体どうなってしまうのか……?
ご一読を。
結末がどういう方向に転がって行くんだろうと、ぐいぐいと引きこまれる作品でした。
AIに恋愛相談を始めた主人公の「裕太」。ひそかに片思いをしている弁当屋の店員の「愛さん」と近づくにはどうするべきかと悩みを打ち明ける。
そこでAIの発する言葉の数々がまず面白いです。「スマート決済の情報から割り出しました」、「監視カメラの映像をジャックしました」と、何やら物騒なセリフが次々と。
そうしてまだ説明されてもいない「愛さん」の情報を割り出し、先回りをするように裕太にアドバイスをしていく。
そして、「愛さん」とうまく会話できるように、自分を愛さんだと思ってやり取りをするようにと言うのだが……。
裕太とAIとのチャットという形式で物語が進んで行き、臨場感のあるやり取りも魅力。
「弁当屋の店員との会話」なので、当然すごく業務的な内容が展開されます。普通に店員と客として終わってしまうという不毛な感じが笑いを誘います。
そして、突然発生する文字化けやエラー。インターネットあるあるな雰囲気が、唐突に物語を侵食し始める。
やがて物語は予想外の結末へと。
二転三転とテンポよく進む物語と、思いもよらぬオチ。そして更に畳みかけるオチ。
序盤から読者の心をむんずと掴み、終わりまで連れて行ってくれること間違いなしです。