『藩』が『県』に流れゆく時代に

幕末。旧来の社会構造が変革されゆく時代に、藩の命運をどのように舵取りするのか、八戸藩主・南部信順がそのしるべとしたのは亡き妻、鶴姫でした。

作中に繰り返される「見上げれば降るかもしれない」その情景は、妻の死を運んだかもしれない天候であり、藩の命脈を繋ぐための大局を見定めるための視点であり、南国に生まれた君主の故郷となった地そのものです。

信順が最後に至った境地は、一体どのようなものだったでしょうか。
ぜひご覧いただき、お確かめ下さい。

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