第18話 最終回:最後の息をつく瞬間まで止まらない情熱

 今や七十歳になった沙織。今日に至っても、いつもの”Just do it!"の精神を指針として、イラストレーター、絵本作家、小説家など、自ら好んで選んでいったことに日々体当たりしていって突き進んでいる。


 死の間際に至って、

「まだやりたいことが残っている。死ぬわけにはいかない!」と慌てふためくようなことはしたくないのだ。


 面白いもので、人間誰しも、

「もうやるしかない。」という死ぬか生きるかのような場合に直面すると、想像もできなかったような能力が発揮されて、自分でも驚くことがある。沙織にとってもそれは嬉しい発見だった。


 補習校で、生徒の幸せな将来には何が必要かと考えながら一つ一つ実行したように、沙織は自分もこの世に生まれてきた以上、どこにいて何をしていても、常に頭を働かせながら、生きることに情熱を持ち続けることで、「自分らしい人生」を全うしていきたいと思う。


 今後も、良い結果が得られると確信できることはためらわずにやっていこう。生きている限り、最後の息をつくその瞬間まで自分の人生をフルに生き抜いていきたい。自分の毎日が愛によって導かれているから、周りにも精一杯の愛を撒き散らしていきたい。 それこそが「真に生きる」ということではないだろうか・・・。


「四十年近く前のあの頃、教師という仕事を思い切って引き受けて本当に良かった」

 と彼女は今更ながらに思う。


 なぜなら、子供たちのためと、彼らの人生に必要なことを教えながら教え子たちの明るい将来に想いをやったお陰で、自分自身も人生の基本について何度も深く考えさせられたからだった。


 と同時に、純粋で柔軟な心を持つ子供たちに接することで、自分も常に自己洗浄機能を活性化し、子供たちのように純粋且つ柔軟なる心を失わないことの大切さをガンと頭に叩き込むことができたからだ。


 愛の大切さを早くから学んだ沙織の可愛い教え子たちの多くも、今頃同じようにどこかで愛を振り撒いていることだろう。教え子たちには、幾つになっても、「フルに遊んで、フルに勉強し続けた」クラスを思い出して欲しい。


 そして、人生で失敗をする度に、あの時のトンプソン先生が与えてくれた夢のセカンドチャンスを思い起こして、今度は自分自身に何回もチャンスを与えて、試行錯誤を繰り返しては難問に挑戦し、人生においてでも最高の百点満点を勝ち取って欲しい。小二の時に努力し続けてやっと獲得した「百点」のあのなんとも言えない素晴らしい感覚を再び味わっていることだろう。


 ダンシングクィーンは、そんな教え子たち一人一人の笑顔を思い浮かべながら今日も踊り続ける。


 軽やかに踊るその足はいまでも止まることを知らない。

                         

The End!

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僕たちの先生はダンシングクィーン! 真奈・りさ @BaachannouserID

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