何気ない、でもかけがえのない時間

大学生と聞いたら、どんなことを想起するだろうか。

「人生の夏休み」「最後のモラトリアム」「遊ぶためだけの時間」などなど、あまりいい意見は見られないことが多いです。

でもこの作品は違うのです! ……なんてことはなく、この作品はそんな普通の大学生の4年間を描いています。

主人公は授業をサボり、食堂や広場の芝生に入り浸るような、どこの大学にも居るような人間、そのくせ頭の中では色々考えていて、たまに周りを小馬鹿にしたような、そんなリアルに溢れた人物像。

彼には友人もおり、その友人に弄られながらも続いていく毎日、2人だったグループは6人に、そして4人に……あまりにも現実的な大学生としての一幕が、その4年間が15話に詰められていると感じました。

遊び呆けている1、2年生、就活が始まる3、4年生、その結果もなかなかリアルで、リアリティ溢れる作品が好きな自分にはとても刺さりました。

最後に仲良しグループが各々散っていくのも、後日談を色々想像出来て面白いと思いました。

何気ない、でもかけがえない日常、何も起きない、平和で、平凡な人間ドラマ、もどかしく、心が少しだけ揺さぶられる作品です。