悪と対峙する、勇気と愛の物語。

いつの舞台にも、人間の傲慢な悪意、思い上がりは絶えないものだなと思う。

異分子は徹底的に排除したがるし、自分の都合のためなら、文字通り、
何だってやってしまえる人間は、常に一定数いる。

偽善者にならない代わりに、大事なものを失ってしまった。
だからわたしは、何もしない偽善者より、何かをする偽善者になろうと思った。
某漫画の、セリフである。

本編では、複数の絆、愛、繋がりが描かれ、それは悪に徐々に対峙していく。
根源的に、人は愛する動物なのか、憎しみ合う動物なのかは、私にはまだ分からない。

けれど、作者様の描く「恋」の物語から、確かな清涼感を得たのもまた、
まぎれもない事実だ。
ひとつだけ確かなことは、繋がりは人々を強くする。
人が繋がる偶然を愛おしむとき、我々はこうして、自分の世界を愛することができるのかもしれない。

それはおそらく、忘れることのない財産となろう。