「天使さまが見えますように」周囲から嘲笑されようと、彼女は願い続ける。その姿は、健気で純粋で、幼すぎた。触れてみたいという気持ちには、常に危うさがつきまとっている。それは支配の欲望か、願望への隷属か。本という自由を手にしたこの少女の目に、今映るのは。その日、世界は転がり始めた。