思い立ったら一直線っ! さあ、行こう、冒険へ!

物語というものは、主人公目線で感情移入をしながら進めていくのが一般的な読み方だと思う。しかし、恋愛やラブコメの視点から見れば必ず恋する相手がいて、または愛してくれる相手がいて、その感情が主人公(ヒロインも)の感情の糸と絡み合うから奥行きがでるものだ。


さて、この物語のお相手、ユーリもなかなかのキャラだ。ヒロインは振り回す系のキャラづくりで、ガンガン振り回していくのかと思いきや、お相手のユーリに振り回されている。それは反抗期だったり、家出だったり。しかもヒロインの性格と相まって、このまま本当に冒険者になれば、周囲を巻き込んでとんでもない暴走を予感させるような(良い意味で)、そんなはじまりのワクワク感を封じ込めたような作品だ。


話を戻すと、お相手はヒロインのことをどう思っているのか?
物語の冒頭で『冒険者になってこの村を出ようと思うんだ』とユーリくんは言っておられる。

ユーリ視点は憶測でしかないが、この二人は似た者同士なんじゃないか?

そう、相乗効果というものがあって、繰り返しになるが、きっと一緒に冒険に出たら、二人でクスっと笑えるような、そんな旅が待っているんじゃないかとワクワクした。


良作に出会えて光栄。続編を期待する。

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