キャラ語り其の三と総括

 今回はその他のキャラについてつらつらと。


・クォル

 マリドウェラの里出身のエルフ。ウィルシアのいとこに当たります。

 里をロアドナの策略により滅ぼされており、復讐のために行動しているという建前でアリーシャを仲間にして、でも実は過去に行って事故をなかった事にしたいから協力しろと言ってレヴィスを引き込み、本当は里の皆と一緒に死にたかっただけという、自分で書いていても中々に回りくどいキャラ。

 まぁ最初の最初は本当にロアドナをぶっ潰そうとしていたし、多少は事故を止められたらという考えも持っていたので、全くの嘘という訳ではありませんが。


 途中途中に登場していましたが、過去に行ってネタばらしをするまで、レヴィスとアリーシャに会う時はずーっと「ロアドナの誰かが監視してる」前提で行動していました。

 これはレヴィスもアリーシャもロアドナの監視対象だったからであり、万が一、自身の計画がロアドナ側にばれた場合にレヴィスやアリーシャが「クォルの計画に協力させられた」という印象付けをさせるための行動です。

 レヴィスは乗り気ではないが罪悪感を利用。

 アリーシャは単純に騙して従わせていた。

 と言った感じ。

 同時にクォルがいかにロアドナに対して復讐心を持っているかをアピールして、何かあった時に「クォル単独で立てた計画」とロアドナに思わせるための誘導をしていました。

 なのでアリーシャを廃屋で消した時、本当はロアドナの監視のない時空の狭間で事情説明と謝罪をするつもりでした。

 ただ、その後すぐにフロートも飛ばす予定だったので、アリーシャには悪いが後でまとめて二人に話そう……と思っていたのですがラピスにやられてしまいすぐ迎えに行けず、回復してから狭間に行ったら誰もいなかったため何のフォローも弁解も出来なかったという……。

 この辺りは本編でもちょろっと書いていますが、判りにくかったかなー。という訳で補足です。



・ウィルシア

 レヴィスの母親。故人。エルフの父親と人間の母親を持つハーフ。基本資質はエルフ。父親がマリドウェラの里長であり、ハーフエルフではありますが他のエルフと遜色ない力を持っています。

 好奇心旺盛で気が強く、思った事はずけずけと口に出すタイプ。子どもを生んでからは若干落ち着いていましたが、何かあると元々の気質が表にでます。


 ロアドナに対しては自身が子どもの頃に強引に連れて行かれそうになった事もあって印象は最悪の最悪。

 ですがフィードやラマとの関わりもあり、国は最悪だが人はまぁ悪くないと考えを改めています。


 フィードとの間にレヴィスとクレアが生まれていますが、実は人間社会においての結婚はしていません(フィードの籍に入ってしまうと子どもはもちろん自身もロアドナ籍になってしまい、国に徴収される恐れがあった為)。

 まぁ、そうはいってもエルフ集落においては婚姻を結んでいたので、ウィルシアにはさほど問題はありませんでした。


 アリーシャは可愛い妹という感じ。

 つっけんどんな対応をされる事が多かったですが、気にせず絡んでいました。ウィルシアは出来るなら里で保護をしたかったのですが、アリーシャは完全にロアドナ下に置かれており、何より「エルフの血が入ってる」以外里と何の繋がりも持たない彼女を里で引き受けるのは難しく。

 保護は諦めましたがせめて支えになりたいと思い、定期的に会いに行っていました。


 本編でレヴィス達が帰った後、ウィルシアは「エルフとドワーフの混血」であるラピスを探し出してこっそり会いに行きます。目的はもちろんレヴィスとクレアの為で、何かあったら助けてもらうように交渉すること。

 その時に「こっちに来たら親子共々助かるぞ?」と言われるのですが、本当はちょっと揺らいでいました。自分だけでなくフィードの事もあったので。

 しかしそれをすると未来に影響がでますし、何より自身とレヴィスがロアドナの良いように使われるのは目に見えていて、それに対してフィードが心を痛めるだろうと判っていたので断りました。

 心身ともに強い女性をイメージしていたのがウィルシアです。……まぁ、フィードと二人だけになったらちょっと違いますけどね。



・フィード=トレヴァン

 名前だけ登場したレヴィスとクレアの父親。故人。

 人間でロアドナの騎士団に所属していた剣士で地位としては中堅くらい。

 性格は実直で誠実な人間で、ウィルシアの件で険悪になりつつあったマリドウェラとの関係を改善させたいと思い、里に通うようになります。

 もちろん最初は里の中にすら入れてもらえませんでしたが根気よく通い続け、半年くらいかけて認めてもらった感じ。

 その中で年齢が近かったウィルシアと仲良くなり、恋人関係になっていきます。ちなみに先に好きになっていたのはウィルシアですが、告白したのはフィードからです。


 その後レヴィスが生まれてロアドナから引渡し要求がきた時、フィードは国上層部から「子どもを連れてこい」と命令されて連日詰められます。騎士団所属で納得できない命令もきいてきたフィードでしたが、流石にこの命令は即答出来ずに長い間葛藤しています。

 その為「魔力を封印するなら連れてこなくてもいい」と国から言われた時は心の底からほっとしました。実際は素直に命令を聞かないフィード含め里まるごと滅ぼす計画でしたが。

 名前しか出てないけど、色々設定は考えていました(笑)



・クレアとジーク

 この二人はまとめていきます。

 クレアはレヴィスの妹。序盤に少しだけ登場してます。人間とエルフのクォーターで基本資質は人間。

 アカデミー戦士コースの剣士クラス所属。レヴィスと違い魔力も法力もあまり持ってませんが、身体能力は高いです。希望職はナイフ使い。


 ジークはマグルスの養子で名前だけ登場。

 アカデミー術士コース魔道士クラス所属。人間ですが高い魔力と法力を持っており、マグルスの後継者として育てられています。


 アカデミー入学前に出会っており、それからずっと仲良くしています。

 クレアは「レヴィスの妹」、ジークは「マグルスの後継者」という事でどちらもアカデミーで有名で、最初は周囲から一線引いた扱いを受けていたので、お互い一緒にいる時間が多かった事も一因です。


 本編にはほとんど絡んでいませんが、ちょこちょこ名前はでていたので基本設定だけ書いておきます。


 余談ですが、私が一番最初にネットで公開したオリジナル小説がこの二人を主人公に据えた話でした。構想などずっと練って付き合いが長いのは本編なのですけど、いきなりそれを公開する度胸もなく、まずは短編で書いて公開してみよう……と思って、クレアとジークを主人公にしてネットで書き始め。

 今以上に拙いので再アップする事はまぁないんですけど、この二人には思い入れもあるので書きました。自己満足。



 フロートの家族やロアドナ高官達など他にも名前があるキャラはいますけど、書いておきたいキャラは全員書いたので……キャラについては以上!


 ここから総括。


 おまけの最初に書きましたが、この話は自創作の中で一番付き合いが長い小説なので、エピローグを書き上げた時はやりきった感でいっぱいでした。


 書きたかった小説が最後まで書けた。

 良かった。


 結局のところ、この話はレヴィスが後悔という重い荷物を自分一人で抱えるのではなく、人の助けを借りて支えてもらい、ほんのちょっとだけ前に進むお話です。

 長ーい話数をかけて書いてますが、すごく簡潔に述べるとそう言う話。


 そこからまた新しい話(彼方よりきたりて)を書くまで、二年ほど期間が空くくらい、書き上げた事に満足してました。

 二回目の完結を迎えて何か感じるかなぁと思いましたが、やっぱり満足感が強いです。

 正直、その後の何を書いても蛇足になりそうで、今はものすごく腰が重いんですけど……いつかまとまったら、自分の意志でちゃんと動くレヴィスを書いてみたいなぁとは思います。


 最後に改めて。

 本編やおまけを最後まで読んで下さった皆様、本当に有難うございます。

 アカデミーでのレヴィス達の物語はこれで終わりますが、この先にまた、彼らの話を書く事があれば。

 その時は改めてお付き合い頂けたら嬉しいです!

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