運命に翻弄される少年と少女の悲しくも美しい歌物語

第1幕まで拝読したレビューとなります。

時は18世紀のイタリア。
貧困に喘ぐ孤児の少年と少女が大人たちの汚い欲望に翻弄される物語です。

現代日本ではあり得ない惨たらしい所業をされた少年。
そんな彼を愛し、彼と共に歩ことを決心した少女。
音楽が2人を繋ぎ止め、過酷な運命に立ち向かっていく。

2人がデュエットをするシーンは、まるで映画のワンシーンのように美しく脳裏に浮かびます。
また悪魔付きなどファンタジー要素が詰め込まれた世界観は、他に見ることがない作品でしょう。
お互いを想い純粋な愛を捧げる2人、この先にどの様な未来が待っているのか。

作者は音楽、特にオペラなどに精通いるのでしょう。
その描写にはリアリティがあり話が進むにつれて、その世界観に引き込まれていきます。
舞台設定も細かく描かれ、歌の特訓をする様子は感心するばかり。
音楽や芸術を愛する方に必見の物語です。

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