「救世主」として人類救済のため世界を破壊する使命を背負った少女と、彼女を救うため「怪物」として彼女まえに立ち塞がる少年の物語。
それだけでもう、この物語がとんでもないシロモノだと言うことを予感していただけるのではないだろうか。
少年は彼女を止めるため戦うが、その姿には彼女を救いたいという純粋な気持ちが強く表れ、人類を救うために世界を壊すというあまりに重大な使命を背負う少女はその重圧に苦しんでいる。
その道が正しいことなのか、自身も迷いながら進む様子が丹念に描かれています。
この二人の対立は、単なるバトルというよりも、感情と信念と相手を思う気持ちのぶつかり合いといえて、深いドラマが生まれています。
アクションやバトルものがお好きな方だけでなく、感情の交錯とすれちがいが、やがてひとつの希望にむけて綴られていく物語がお好きなかたにもおすすめしたいです。
変えることのできない生まれた場所と、そこを迷いながらも懸命に生きる先には、なにが待っているのか。一緒に見届けてみませんか?
『魔術』で『怪異』と戦わねばならない世界。
魔術の使えない高校生、灰月仁《はいつき じん》くん。
他のクラスメイトたちのように魔術は使えないものの、彼らを補助する魔道具を作る『魔道具師』として、共に戦っていました。
そんな仁くんが出会ったのが、ネージュという少女。
彼女は人体実験の被験者であり、追われる身でした。
ふたりは助け合って、『怪異』と、ネージュを追う組織とも戦いながら、心を通い合わせていきます。
そんなふたりを待ち受ける、あまりに厳しい運命とは。
しっかりした設定と、流れるような納得の展開で綴られる、王道ファンタジー。
努力家で優しく、勇気ある主人公には、誰もが好感を持つでしょう。
自らの運命に抗い、強い意志をもつヒロインの少女も、とても魅力的です。
きっとあなたも、このふたりを応援したくなりますよ。
恩人である異端審問官に憧れを懐き、己もそうならんと夢見るも魔術が使えない魔導具職人の少年。
ある日、彼は飛空挺から逃げ出した少女、ネージュ・エトワールと出逢い、心を通わせていく。そんなボーイミーツガールの物語。
しかし、ネージュは世界に災厄をもたらす『破滅の聖杯』と呼ばれる存在だった。それでも主人公の仁は彼女を狙う者達から守るため力に目覚め戦う。
ひたむきな少年が頑張るお話です。
悲劇か、ハッピーエンドか。世界を破滅に導く存在であるヒロインと主人公がどのような未来に進んでいくのか気になるところです。
タイトルの『灰の異端審問官』の意味が判明する日が来るのか、それも気になるポイントだと思います。魔術が使えない主人公がタイトルを冠する存在になるのか、それとも別の何かか、その結末を見届ける価値があります。
滅びかけの世界は残酷だった。
十年に一度はどこかの国が怪異とよばれる化け物に滅ぼされる。
そんな状況の中で、その少女たちは生体兵器として生み出され、過酷な運命を背負わせられた。
ネージュ、と名付けられた一人は、課された宿命を呪い、飛行船から身を投げるが──。
その先で、出会う。彼女の運命を変えることになる少年、仁と。
そこからから始まるのは。
ネージュを追ってくる者たちとの魔法や異能を駆使した、めくるめくバトル。
そして、その者たち一人ひとりが胸に秘める信念同士のぶつかり合いのドラマ。
もちろん、ラブコメ要素もいっぱいあるよ!
そう、ド王道なボーイミーツ系ライトノベルの面白い要素全部盛りフルコースです。
WEB小説というより、紙媒体っぽい読み応えのある本格ボーイミーツガールをお捜しの方にオススメです。