戦国カクヨムコンテスト

夕日ゆうや

カクヨムに栄光あれ――っ!

 世は戦国カクヨム時代。

 刻に、人はなぜ争うのか。

 派閥争い。ジャンル内乱。はたまたスタンスの違い。

 様々に移りゆく刻の中で人は何をみるのか?

 ここにもまた一人、芸術性と大衆性に悩む男一人。

 雑多な物が散らかった部屋にて、男は一人パソコンに向き合い打鍵を続ける。

 その手によって生み出される文章はなんと綺麗なことか。

 美しく、的確で、美的センスに恵まれていると言えよう。

 だが、その文章力を真っ向から否定するWEB小説家の『夕日ゆうや』。

 夕日ゆうやが言うには大衆に分かりやすく、面白い文章こそが至高。最善手であると示している。

 一方の男は美こそが最大の小説と考えている。

 だが、いろんな派閥がある世の中。

 いずれ本当に人を救うのは美学である。思想である。

 男はそんな彼らに警鐘を鳴らす。

 思想なき世界など笑止千万。生きる価値なし。

 皆、自分の作品に、世界観に命を賭けているのだ。

 だから意見はぶつかり合い、闘いせめぎ合うのが自然なのだ。

 論議は良い。

 それがなければ人は死んでいるのと同義。

 だから今度行われる擬似的戦争である『第9回カクヨムWeb小説コンテスト』では作者たちがその身を削り、勇み、そして散らす。

 その儚い夢を目指し、男たちは舳先を航路に向ける。

 世界は言葉で満ちている。

 その言葉には様々な意見がある。

 見やすさ、読みやすさ。

 それとも純文学のような美術的小説。


 答えなんてないのだ。

 全てのことに意味がある。


 ここは戦場だ。


『第9回カクヨムWeb小説コンテスト』という名の擬似的な戦争だ。


 誰もが意見をぶつけ合う、闘いの場なのだ。



 ――カクヨム民に幸あれ



                 ~完~

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