本当に奪われているのはきっと、彼女自身の幸せ。

加護女(かごめ)――治癒や未来視など、人智を越えた力を持つ一握りの女性。
病弱な領主の妻として重宝される彼女たちは、凝り固まった貴族社会に囚われた籠の鳥。
「奪う」力を持つ加護女、桐君(きりのきみ)は、病気や痛みを一時的にしか奪えない半端者として虐げられていた。読んでいて胸が苦しくなるほど生々しい無力感の果てに、彼女が幸せになれる未来を願わずにはいられません。
ちょっと不思議で狂おしい平安和風ファンタジー、おススメです。