『箱庭に』に関する覚書
尾八原ジュージ
覚書
2023年11月26日に完結したホラー長編『箱庭に』ですが、例によってプロットなどもなく、行き当たりばったりで書いていたので、途中で計画を修正したり、こっそり公開分を修正したりしていました。
こちらはそういったことに関する覚書です。なお、大いにネタバレを含みますのでご注意ください。
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・見切り発車しすぎた。
・今までで一番進捗がやばいと思った。とにかく話の先が見えなくてテンパっていた。なお連載と同時期に『みんなこわい話が大すき』の書籍化作業も行っていたので脳のメモリをかなりみんこわに割かれ、余計にテンパっていた。日刊連載の縛りがなければエタっていたと思う。
・テンパリすぎて連載中のことをあまり覚えていない。
・なんとなく子供が語り手の話を書きたいと思った……んだと思う。よみごさんシリーズになることは一応フンワリ決めていた。
・前作が『へんのや』だったので、家系がかぶるな~と思いつつ家に棲むものの話にした。
・実際の知人宅に踊り場がない階段の家があり(すでに『白は日の色』で阿久津家のモデルにしている)、「遮るものはないけど採光の関係であんまりよく見えない場所」ってホラーっぽいなと思っていた。家の中に行ったらいけないゾーンがあったら厭だなというのと、壁や扉などの明確な境目がないところがいいと思った。
・みたいなノリでとりあえず「二階に行ったらダメな家の話」を書き始めた。
・タイトルは特に意味を考えていなかったが、それっぽい呪物を作って回収できるんじゃないかなと思った。実際できてよかった。「箱庭」だけだと被るものが多そうだなと思い、「を」とか「が」とか「の」とかをくっつけてみて『箱庭に』となった。
・登場人物に適当に名前をつけていたら「◯木」という名字が増えてしまったので今後気をつけたい。
・ストーリーが決まってなさすぎて、最初は章の名前が「盛夏」とか「初秋」みたいなのしかつけられなかった。現在は修正済み。
・初登場時、哲平母の性格や抱えている事情がほぼ決まっていなかった。とりあえずタバコ吸ってたらいずれ「においがしないからニセモノ?」みたいな伏線になるかなと思って喫煙者になった。
・子供だけどある程度自分のことができ、ひとりで考えて行動できる子がいいと思って哲平の年齢を小学六年生にした。祖父と死に別れて大変だろうけど、話を進めねばならないので泣くのは後にしてもらった。後で「六年生ってまりちゃんと同い年だな」と気づき、まりあとの行動の機会が設けられた。
・連載始めて序盤で「なんでお母さんはこの家引っ越さないんだろう」問題が発生したがおいおい考えていけばいいかと思った。できればもうちょっと盛っていきたい。
・第一章のラストで「もうこの家に哲平が住み続けるのは難しいな」となったため、急遽叔父が発生した。途中で闇落ちルートも考えたがやらなかった。
・これまで意味深に名前だけとか声だけとかで登場していた妹尾さんが、初めて画面の中に出てきた。出しちゃって大丈夫かなと思ったが出してしまった。
・まりあはよみごさんシリーズ前作『白は日の色』で出すことができなかった(相手が強すぎたので、この場合志朗は彼女を関わらせないようにするだろうと思った)ので、今回はちゃんとお弟子さんらしく色々やってもらおうと思った。そういえば『まりちゃんは檻を作ってる』で登場した葵ちゃんとはまだ交流が続いているはずなので、その辺の情報を出したかった。
・浅木寿々子は限定近況ノートに載せたSSに登場している人物。志朗との接点を作るため、「叔父さんの友人」として登場させた。本当に単なる接点だけのつもりだったので、その後も活躍してくれるとは思わなかった。彼女については感想でご支持いただいたこともあり、またぜひ登場させたいと思っている。経営者一族の娘で会社役員(仕事は一応ちゃんとしている)でお金と霊感があり、家には祖父が蒐集した曰く付きのものがゴロゴロ転がっている。そういえば人形のマチコさんも再登場させたいものです。
・哲平とまりあは「十年後にはバディになってそうなふたり」だと思っている。
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2023年11月27日現在、こんなところでしょうか? また何か思い出したら追記しようと思います。
2023年12月3日、読み直してちょこちょこ修正を入れました。家の中の描写が間違ってて空間が歪んでました……。あと「家の中では恵は哲平の名前を呼ばない」ということにしました。
『箱庭に』に関する覚書 尾八原ジュージ @zi-yon
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