あとがき

 この物語に最後までおつきあいくださいまして、誠にありがとうこざいます。


 もしかしたらオーパーツを探してくださった方もいるのではないかということで、筆者の把握している限りではありますが、判じ物らしく謎解きの答えを少し載せておきたいと思います。


 わかりやすいものとしては、オタマトーン(明和電気)。


 わかりにくいものとしては、レモンピューレ味の虎朱印最中(小田原和菓子屋 正栄堂)。


 引っ掛けとしては、長屋の縁側(そもそも長屋に縁側はなかったらしい)。


 おまけとしては、商人らしき人物(江戸時代に転生したつもりが江戸時代じゃなかったどこぞの田原さん。詳細はこちらhttps://kakuyomu.jp/works/16816927861377046973 )。


 あたりでしょうか。縁側に関しては、時代考証の必要な作品であれば即アウトな代物だと思いつつも、どうしても増田さんを縁側に寝そべらせてみたいなという書き手の思惑により、作品ジャンルをミステリでも歴史でもなくファンタジーにしている所以です。


 ほかに細かいところでは、縁側の沓脱石なんかも長屋というより農家のイメージが強いのですが、桜さんに草履をトントンさせたかったという理由から、長屋を舞台に登場させました。ほぼファンタジーとなっております。


 頭痛押さえ眼鏡は耳にかける部分こそ紐だったそうですが、他にも縁取りの草履や甘酒、みたらし団子、手紙などなど、案外そうした小物や言葉が江戸時代頃から浸透していたようだと知った時には驚きました。


 また当時は一日の始まりが日の入りという感覚があったそうで、ならば現代でいう大晦日の夕方にはもう歳神様を迎える用意、新年の賑やかな空気に包まれていたのではないか? というところから想像して話を膨らませていきました。


 そんな江戸時代な滑稽なお話ではありますが、少しでもお楽しみいただけたなら幸いです。



 そうそう。


 この作品の最大の謎である離魂病または影のわずらいですが、種明かしをしますと、ほぼ筆者の実体験が元になっております。


 いまだに私の人生最大の謎でして、高校生の頃と大学生の頃、電車にも乗っていられないほどの酷い頭痛と吐き気に悩まされていた頃によく現れていた(?)ようで、突然友人から何で昨日無視したのと言われても困るといった具合でした。


 友人もまるで疑っていないといいますか、それほど間近で話し掛けていたにもかかわらず反応がないものだから、嫌われたのかなとかいらぬ悩みを与えていたと聞くと、増田さんの声を借りるなら「それは申し訳ねえ」といったところです。


 他人のそら似で済ませられないとなった理由は、高校の頃は毎日制服で同じ格好だったので、似てる別人や気のせいでも済ませられたのですが、大学に入ってからというもの、


・毎日違う私服にもかかわらずリアルタイムにその日と同じ格好で現れる

・そもそも大学の友人に高校時代そっくりさんが現れたなんて話は一度もしていなかったにも関わらず、やはり定期的に双子はいるかと聞かれる

・高校の頃は高校の最寄りの駅のホームで、大学の頃は大学の最寄りの駅のホームで、現れることが多かった


 などなど。どうにも説明出来ないことが重なり、誰かに話したところでとても信じてもらえないだろうというところで、そうだ物語にしてしまえ、という運びになった次第です。


 おかげさまで頭痛が治ってからはいまのところまったく現れておりません。

 もしかしたら友人が少なすぎてもはや目撃すらされていないという悲しい可能性もなきにしもあらずですが、幻想のままにいたしましょう。


 そんな経緯を踏まえ、誰か解ける人がいるなら解いてほしい✨という思いで、作品ジャンルはファンタジーではありますが、カクヨムコン短編部門のサブジャンルではミステリが得意な人が読んでくれそうな「エンタメ総合(SF、歴史、ミステリー)」に登録してみるなどしてみました。


 以上つらつらと書いてきましたが、謎解きにも関わらず相変わらずコメント欄閉じっぱなしというのが最大のネックポイントでしょうか(笑)



 最後までご愛読いただきまして、誠にありがとうございました🌸感謝

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