第7話

窓に、一瞬、浮かんだ、その人の顔は。

少し笑って、手を振った。


夜の闇。

流れていく少しの明かり。


ここは、どこだろう?


記憶の?

「まさか、ね」


と呟いてみるも、虚しく。


誰も居ない。

応えてくれる者は居ない。


運転は、どうなっているのだろう?


影が。


あそこに見えているのは運転手の背中なんだと思っている。


でも違うのかもしれない。


居ない、の?

誰も?


ほんとに誰も居てないの?

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