第5話

迷惑を被って、もう私のことは嫌いかもしれない。

嫌な人に出逢ったものだと思われているかもしれない。


人生、いろんな人が居るよねぇ、と。

懐かしんで、可笑しな人も居たものだと思われているのかもしれない。


それとも、もう霞の向こうで存在すら忘れ去られているのかもしれない。


それでも。


出逢ってくれたことに感謝だ。


一時代を共に過ごしてくれたこと。

楽しかった思い出と、少しの会話。


覚えてる。


「メインは、なんですか?」

そう聞かれた、〈あの頃〉の。


メイン?


そんなもの無かった。


あれから何度も思い返しては考えること。

私のメインは、なんだろう?

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