読む人によって感じ方が大きく変わる行間を読む短編のイメージを私は受けました。400字と短めの短編ではあるのですが、状況と心情を淡々と語るものではあるのですが、その状況に至るまでの心の動き、その心情に至るまでの状況の変化、それらのものを読者に与えてくれる物語です。
特に、最後のシーン。主人公が笑っているのか? 泣いているのか? そこには、最後まで読んできた読者の想像の結果から導かれるものであって、この物語が終わったあと、主人公がどう行動するかのシーンも人それぞれになるものだと思います。
こういうのも、ショートショートの醍醐味だと思います。