短文① 幻想臨界廃城アリスムーン その1
ここは、幻想臨界廃城アリスムーン。
旅人が現れては、世捨て人のように住み込む、妖精と機械の世界。
ある日、この廃墟都市の三畳一間の部屋に、ミニチュアサイズの妖精さんが住み込んだ。
お供にいるのはいろんな形をした機械妖精達、彼らはハウスメイドのようにせっせと働いてくれる。
紹介しよう、僕の友達の機械妖精達。
Y字型の機械妖精はホックが付いていて、ハンガー代わりにコートをかけておくと便利。
H型の機械妖精は中央に球があって、飛びながら掃除機をかけてくれる。
吸われて巻き上げられるときに、一緒に回転しながら飛ぶとぐるぐる回れて楽しいやつだ。
W字型のは、絵が描けて、遠くに連絡をやる時にヒュンと飛んで手紙替わりになってくれる。
三角形の複数の機械妖精は、円を描いて合体して傘になって浮かんでくれる。とてもやさしい機械妖精達。
もっとたくさんあるけど、これがボクの仲間だ。
今日は、ティターンとドライアドが遊びに来てくれる。
錬金術の魔法店で買った砂糖菓子を用意して、H型の機械妖精とと一緒にお掃除をしておく。
いるティーカップは、根っこの手でドライアドでも使いやすい取っ手が二つついたもの。
ティターンのために木のうろを切り抜いて、大型の器を機械妖精達と一緒に作った。
今日のメニューはヨーグルトリンクと、ナシとリンゴのさわやかクリームシューだ。
ボクはW型の機械妖精にサインと、招待の分を送って飛んでもらう。
今日は雨が降りそうだと、中央管理AIからの時報があったから、傘の機械妖精達も一緒に飛んで行った。
さぁて、お茶会が楽しみだ。
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