これが、生きるということ

冬休みに出会ったクラスメートは身体が透けていた。どうやら死んでしまったらしい、という衝撃的な始まりから紡がれる、温かで、それだけではない物語。

冬休みに未練があるという、クラスでも目立つ位置にいる幽霊の田中。
そんな田中と死後初めて会話をした、神原。
交わることのなかったふたりが、予想外の交わり方をしたことで互いに影響を与えていく。
その過程が鮮やかに、そして確かな文章で描かれています。

生きるということは、決して楽しいことだけではない。
それでも続く日々は、暗いだけでもないはずだと前を向ける物語です。
是非。