番外編・終 ジョフロワの墓前にて・④
ねえ、あなた。
どうして借金まみれだった時の閣下に何度も融資したのかしら。取り立てもほとんどせずに……。ずっと理由を聞きたかったわ。あなたは不思議と勘が良かったから、閣下の将来性に気付いていたのかしら。それともあなたも閣下みたいに損なお人好しだったから?
ふふ……そちらに私が行ったら、しっかりと聞かせてちょうだい。
「ナナオン義姉さん。風が冷たくなってきましたよ」
「あら。いつの間にかもうこんな時間。日が暮れる前に帰りましょうね。みんなにもお土産も買っていかなくちゃ」
「最近の流行はバームクーヘンという焼き菓子だそうですよ。クードの娘達がやっている店が評判です。必ずそこで買うようにとミアナからも念押しされてしまいました」
「あらあら。じゃあ売り切れる前に行きましょうね」
ねえ、どうしてかしらね。
この墓地は……いつからか、何かしらの草木が必ず花を付けていて、いつ来ても心が慰められるのよ。まるで草木まで、ここに眠る死者を悼んでくれているみたい。一体何がそうさせているのかしら。
もう一度あなたに会えたら、きっとその秘密も教えてくれるわよね。
【完結】何をやらかしたのか全く分からないが確実に俺はやらかしたらしい 2626 @evi2016
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